WindowsでSATAハードディスクのデータ復旧を実践

パソコンや外付けHDDケースが壊れて、内蔵されたSATA方式のハードディスクのデータを失った時に、
MicrosoftのWindows(マイクロソフトのウィンドウズ)のOSがインストールされたPC本体で、
ファイルを読み込みして復旧するには、どのような方法で実践をすればいい?という疑問について。

SATAのハードディスクが開けないトラブルの原因とは?

まず、SATA(シリアルATA)のハードディスクが開けないトラブルが起きた時の主な原因について。

たとえば、Windowsのシステムが深刻な不具合を起こしてデスクトップ画面が開かなくなると、
そのオペレーティングシステム上では、HDDの個人用データの展開もできなくなります。

また、パソコン本体のマザーボードや電源ユニット、スイッチの回路が破損して、
コンピューターが故障すると、ハードディスクのデータも開けなくなります。

もし、マザーボードやCPU、電源ユニットが壊れていた時は、
パソコンの分解に慣れている人でなければ、少し修理の作業も難しくなりがちです。

また、ノートパソコンやiMacといった、液晶モニターと一体型の製品の場合は、
ディスプレイが損傷して画面が映らなくなると、やはりデータの閲覧もできなくなります。

ほかにも、BIOSにストレージが正常に認識されないアクセスエラーといった原因もあります。

そんな時の対処の仕方として、WindowsのPC本体からSATAハードディスクを一度分離して取り出しして、
別のパソコンに内蔵するかUSBから外部で接続して、ファイルやフォルダーを読み込む形で、
データを復旧する実践の方法や、または代行の作業をしてもらえる専門のサービスセンターがあります。



ノートパソコンの2.5インチのHDDを取り出すには?

こちらの実例では、ノートパソコンに搭載された2.5インチのHDDを取り出す手順を解説いたします。
  
※メーカー製のパソコンの場合、長期の保証期間内のうちに一度分解を行うと、
 その後の修理保証サポートのサービスが有償でしか受けられなくなることがあります。

 以下の復旧作業をご自身で行われてみる際には、先に保証書などをご確認ください。

今回では、Acer(エイサー)製の「ASPIRE」シリーズのノートパソコンに搭載されている、
S-ATA方式の2.5インチサイズのハードディスクをPC本体から取り外して、
別のパソコンにつなげて、ボリュームに残っているデータ復旧の作業を実践しました。

ノートパソコンの場合は、メーカー製品の種類で分解の仕方がある程度 異なります。

AcerのASPIREの製品の例として挙げますと、まずノートPC本体の裏面にあります、
ふた部分の固定ネジを、ドライバーで取り外します。

(シールでストレージが固定されていたら、そちらも剥がします。)

そしてふたを取ると、左側に2.5インチのSATA-HDDが搭載されています。

これを左側にゆっくりと丁寧にスライドさせると、ノートパソコンのコネクタから外れて取り出しできます。

デスクトップパソコンにストレージを増設して読み込む手法とは?

次に、ほかのデスクトップパソコンの本体にHDDのストレージを一時的に増設して、
内部のデータを読み込む手法について。

まず、違うデスクトップPCの電源コンセントを取り外して、PCケースのカバーを開けます。

内部のドライブベイの位置を見て、予備のSATAケーブルをマザーボードに接続します。

そして、不具合の出たWindowsのパソコンから取り外したハードディスクドライブを、
市販の2.5インチ→3.5インチサイズの「HDD変換マウンター」に取り付けます。

また外付けHDDの製品に搭載されたストレージの場合も、同じく接続ができます。

こちらをドライブベイに差し込みして、SATAケーブルと電源ケーブルのコネクタを、
ハードディスクのインターフェースに正しい向きでしっかりと差し込みます。

対象のどちらからのパソコン本体の構造が複雑で、取り外しと増設が難しそうな時は、
プロのデータのリカバリーサービスにて、復旧の対処をしてもらうこともできます。



外付けハードディスクケースかUSB変換ユニットで読み出すやり方とは?

次に、増設のほかにも外付けのハードディスクケースかUSB変換ユニットに繋げて、
USB接続のローカルディスクとして、データを読み出す形で復旧するやり方もあります。

これらの方法のうち、今回はUSB変換ユニット(HDD変換アダプター)で、
USBコネクタからWindowsのパソコンに接続してデータを開く方法を実践しました。

まず、S-ATA方式のHDDを外部のローカルディスクとしてUSBでの読み込みができる、
市販のUSB変換ユニットを購入して用意します。

こちらの例で使用する製品は、玄人志向製の「KRHC-SATA2+IDE/U2」という周辺機器です。

デスクトップパソコンからストレージヲ取り外す場合は、まずPCケースのネジを外してふたを開けます。

そして、HDDが収納されたトレイから(もしくはトレイごと)固定されたネジを、
プラスドライバーで取り外して、SATAケーブルと電源ケーブルを抜いて、取り出します。

ほか、SATAのHDDが接続できない時にIDE変換アダプターで復旧をする方法については、こちらのページにて。

他にも、サンワサプライのメーカーからの、
「IDE/SATA-USB変換ケーブル:USB-CVIDE2」といった製品が発売されています。

ボリュームのファイルやフォルダーをバックアップして保存する

次に、USB変換ユニット(または外付けハードディスクケース)に、
取扱説明書に沿って、SATAハードディスクを差し込みします。

続いてUSB変換ユニットの電源を入れて、また別のパソコン本体を起動してから、
USBポートにコネクタ(connector)をつなげます。

すると、正常であればWindowsのデバイスマネージャーにすぐに認識されて、
エクスプローラーの画面に新しいHDDのボリュームのアイコンが表示されます。

これを開くと、WindowsのPCの主なフォルダーとファイルが、
「ユーザー」「パブリック」「Program Files(x86)」「Windows」「Guest」「temp」
といった名称で、一通り表示されます。

後はここから各フォルダーを開いて、必要なファイルのデータを、
外付けHDDやDVD-Rなど別のデータ記憶装置にバックアップして保存する復旧の作業を行います。

ほか、SATAのHDDを変換ケーブルでノートパソコンにUSB接続する方法については、こちらのページにて。

そしてデータのサルベージが終わったら、先ほどと逆の手順でUSB変換ユニットの電源を切ってから、
SATAハードディスクを取り外して、また以前のパソコン本体に内蔵し直して作業は完了です。

IDE方式のHDD用の古いパソコン本体に接続するには?

次に、予備でお持ちのパソコン本体がIDE方式のHDD用の古いマシンである場合には、
市販のIDE⇔SATAの変換コネクタが別に必要です。

現在のハードディスクドライブやSSDは、IDE規格の拡張仕様である、
「Serial ATA」(通称:SATAまたはS-ATA=シリアル転送方式)が採用された製品が主流です。

そのため、IDE方式に対応された一昔前のデスクトップパソコンに繋げるには、
IDEとSATAの変換ができる機器を取り付けるか、外部からUSB変換ユニットで繋げる必要があります。

ほか例として、できるネット 様での、
Windows 7を外付けHDDにバックアップする方法。10での復元方法まで丸わかり の解説も参考までに。

「Microsoft Windows 7」(ウィンドウズ・セブン)以降のパソコンでは、
完成度の高いオペレーティングシステムがインストールされて安定性があります。

しかし、非常に使いやすいWindows7や8、10、11のオペレーティングシステムでも、
ある時に急に動作が止まって、デスクトップの画面まで表示されなくなったり、
時にはセーフモードでも開けなくなってしまうトラブルも、やはり起こりえます。

そんな緊急の場合には、Windowsの起動ディスクで「スタートアップ修復」や「システムの復元」、
「OSのリカバリー」といった手段で、多くの場合は回復することができます。

一方でWindowsが破損した際に修復作業を実行する前、特に再セットアップをする場合には、
万一に備えて先に、ハードディスクに入っている大事なデータを復旧すると より安全です。

専門のデータ復旧サービスセンターでサルベージをしてもらう

ですが、もし取り外したハードディスクがローカルディスクとしてデバイスに認識されず、
どうしても読み込めずに、特に変な音が鳴っている場合は、
HDDの中身でヘッドクラッシュなどの障害が起きて、故障しているおそれがあります。

その時には前のパソコンに取り付け直さずに、そのまま取り外したままにして、
専門のデータ復旧サービスセンターの業者に問い合わせをされてみてください。

そのハードディスク自体は、残念ながらもう故障して直らない確率が高いのですが、
中身のプラッタから今までにWindowsで書き込みしていたデータを拾い上げて、
別のデータ記憶デバイスに移し替えてもらう形で、サルベージの作業を行ってもらえます。