ふたの開かないポータブルHDDのデータを復旧するには?

2.5インチでSATA方式の小型のハードディスクドライブが搭載された、
外付けHDDのポータブル・ハードディスク(portable hard disk)が、ある時 内部のディレクトリ(ボリューム)に、
突然アクセスができなくなり、しかもケースのふたが通常では開けないようになっている構造の製品の場合は、
どうすれば内部に保存されているデータファイルを復旧することができる?という疑問について。

カバーとUSBケーブルの破損が出ていたら?

まず、ポータブルハードディスクにもケースのふたが少し開きにくいだけのものと、
または分解ができるネジやカバーがなく、普通に取り外そうとしたら開くのが難しい仕様の製品とがあります。

たとえば東芝(TOSHIBA)製の あるポータブルHDDの製品は、ハードディスクの取り出し・交換用のふたが付いた、
外付けHDDケースの製品と異なり、簡単に取り外しができるようにするためのふたがなく、
ストレージの交換が前提とされていない構造の製品です。

後者の場合でHDDケースが故障してしまうと、Portable HDDのふたが開かない、またはかなり開きにくいために、
内部のボリュームに保存されたファイルやフォルダーが読み込みできなくなって、
違う方法、または専門のサービスで、データの読み込みを復旧する必要が出てきます。



USBコネクタの差込口や基板の回路が壊れていたら?

次に、付属のUSBケーブルが折れ曲がったりして断線した場合に、修復する方法について。

まず、WD(ウェスタンデジタル)やI-O DATA(アイ・オー・データ)、Seagate(シーゲート)、
またシリコンパワー(Silicon Power)、東芝(TOSHIBA)、BUFFALO(バッファロー)といった、
メーカー先の専用のUSBケーブルを取り寄せるか、ジャンクショップなどで購入して、
交換することでローカルディスクへのアクセスを復旧できます。

ほか、認識できないHDDからのデータ吸出しを実践するには?という疑問については、こちらのページにて。

しかし、USBコネクタの差込口が破損したり、ケースの内部にある基板の回路などが壊れた場合は、
通常でふたが開かない構造だと、そのままでは個人では内部のデータも開かなくなります。

また、この時点で通電をした時に内部からカチカチ音が鳴っている時は、
ハードディスク自体が重度の物理障害になっている可能性が高いため、一度電源を止めてください。

HDDのケースの分解ができる製品の場合は?

例えば、Transcend(トランセンド)製のM3シリーズのような一部の製品は、ケースの止め具が普通の固定ネジで、
一般の個人でもふたを開けやすく、内部のハードディスクの取り出し自体はできる仕組みになっています。

分解をするにはまず、HDDケースを覆っているゴム製のカバーを取り外します。

次に小さめのプラスドライバーを使用して、
ポータブルHDDのケースの表面にある固定ネジを回して、ふたを取り外します。

一方で、内蔵されているハードディスクドライブの差込口や基板が損傷していて、
物理的に故障していると見られる時は、個人ユーザーでは読み込みが困難です。

そのため、基本的にはプロのデータリカバリーサービスに問い合わせて、
ポータブルHDDの内部に保存されたデータファイルを救出してもらうのが、ほぼ唯一の解決方法です。



製品のパーツの分解とファイルの復旧をするには?

次に、プラスチックのふたを丁寧に指かマイナスドライバーなどで上げながら、
ケース裏側の引っかけの部分を持ち上げて、ゆっくりと分解して開きます。

また、ELECOM(エレコム)製の装置のデータを復旧する方法については、こちらのページにて。

コントローラーボード(基板)から、2.5インチサイズのハードディスクを、
インターフェースからスライドするようにして丁寧に取り外します。

そして、そのHDDを2.5インチ用HDD変換マウンターに取りつけて、
デスクトップパソコンの空いているドライブベイに一時的に増設します。

ポータブルハードディスクのケースからの付け替え

あるいは、Transcend製といったポータブルハードディスクのカートリッジから、
別の専用の外付けHDDケースまたはUSB変換アダプターに取り付けて、USB接続をします。

そして、付け替えたHDDを内部に保存されたファイルをバックアップする形でデータを復旧します。

ほか、例として、LaCieサポートといった、各メーカーごとの解説やサービスも参考までに。

またWindowsのパソコンで認識できない外部のストレージデバイスを、
MacパソコンやLinux系のOSで読み込みすると、内部のデータにアクセスができることもあります。

データリカバリーサービスに注文して取り出しをしてもらう

一方、東芝製のポータブルHDDのように、固定ネジがなく ぴったりとふたがくっついて開かない、
もしくは相当に開きにくい製品は、一般の個人では通常、上記のような取り出しの仕方が難しくなります。

無理やり割って取り出すのは、内部のハードディスク本体の基板に傷を付けたり、差込口が割れる、
以後はケースが使えなくなりやすい、また衝撃で内部の回路が破損するおそれもありますので、おすすめできません。

これらのポータブル外付けHDDが読み込めなくなった時、または異音が出ていて、
ヘッドクラッシュの物理障害などのおそれがある時は、ひとまずそれ以上の通電をお控えください。

その際には、やはり専門事業のデータ復旧サービスに問い合わせて、
製品を送付して、内部のファイルを取り出してもらわれることを推奨します。