パソコン上で、ExcelやWord、PowerPoint、グラフィックソフトといったさまざまなアプリケーションソフトウェアを使う際に、
作業中に急にファイルが壊れるトラブルが発生した時には、どういった原因により破損が起きて、
どのようにすれば損失を防げて、また失ったデータを復旧するにはどのように対処をすればいい?という疑問について。
目次
ファイルの拡張子が壊れる主な原因とは?
まず、エクセルやワード、パワーポイント、PDFなどで作られたテキストファイルや、
画像、音声、映像、HTMLやPHPなどのデータは、
バイナリーファイルといったさまざまな形で、アプリケーションソフトウェアの機能で、
独自のファイルフォーマットの拡張子により作成されます。
しかし、ソフトウェア(ツール)でファイルを作成したり、上書きやコピーによる保存を行う際に、
稀にプログラム上の書き込みのエラーが起こり、ファイルの拡張子のプログラムが壊れることがあります。
文字化けや画像の乱れといったエラーは、これが原因で起こる場合が多いです。
たとえば、ファイルの終わりの場所を示す「EOF」(エンド・オブ・ファイル)の表記が、
ファイルのデータシートなどの中で間違った箇所に記されていたり、
表記がされていなかった場合は、正常に動作しない可能性もありますので、見直されてみてください。
また、ヒューマンエラー(人為的な操作ミス)で壊れてしまう場合も多いですので、
予備のデータのバックアップはなるべくこまめに取ることを推奨します。
必要なファイルのバックアップを取り忘れていた場合には、プロのデータ復旧サービスに問い合わせをして、
対象の拡張子があったハードディスクやメモリーカードを出して、検査と復元の作業をしてもらわれることを推奨します。
コンピューターウィルスの感染による破損とは?
他の原因として、コンピューターウィルス(有害なファームウェア)の感染による被害が挙げられます。
一つのPCウイルス(ワームのプログラム)が、電子メールやウェブからパソコンに侵入すると、
そこから次々とディレクトリのプログラム情報が勝手に書き換えられて、
フォルダーに保管しているファイルやソフトウェアが破壊されてしまいます。
これらは前もって、ウイルスバスターやノートンアンチウイルスなどのセキュリティ対策ソフトをインストールして、
セットアップしておくことでしか防ぐことはできませんので、必ず本格的にインターネットを使う前に導入をしてください。
また、壊れたファイルを修復する回復機能については、こちらのページにて。
ファイルが完全に破損していたり いつの間にか拡張子が消えていて個人では元に戻すのが難しい時には、
プロのデータレスキューサービスにて、診断とリカバリーをしてもらわれることをおすすめします。
エクセルやワードのデータが壊れていて開かない時は?
次に、Microsoft OfficeのExcel(エクセル)やWord(ワード)、PowerPoint(パワーポイント)といった、
さまざまなアプリケーションソフトウェアは、正しく指定された手順に沿って使えば、普通は問題なく作業ができます。
しかし、パソコンやOS上の動作環境が満たされていなかったり、OSのバージョンに対応していないソフトウェアを、
無理に開こうとすると、これらの原因で動作速度が鈍って「名前を付けて保存」がうまくいかなかったり、
上書き保存の際に、データの書き込みに失敗してファイルが壊れるトラブルが起きてしまうこともあります。
他で共有して使っているソフトウェアやハードウェアとの互換性の相性が悪い、など、
イレギュラーな理由でも、ファイルやプログラムの破損を引き起こしてしまうケースも存在します。
基本的に、Windowsの「ファイル履歴」や、macOSの「TimeMachine」を有効に設定して、
自動バックアップを取っておくと、データの保護の面で安全性が大きく高まります。
例として、中古パソコンのリプロ様 での、データ・ファイルの破損!原因と対策!の解説も参考までに。
また、インターネットでダウンロードしたCSVといったファイルが、すでに壊れている場合もあります。
写真などの画像ファイルが破損する原因とは?
次に、写真などの画像や撮影したムービーといった動画のファイルが破損する原因と、復元の手法について。
まず、パソコンやサーバ上で取り扱われているデジタル式のデータは主に、
ファイル形式(file format)という記録形式で作成されていきます。
そして、ハードディスクやSSDなどに作成する、フォルダーという電子上の格納庫に保存されます。
これらはパソコンを起動するたびに通電されるのですが、USBメモリーの場合は、
何年も使わないことも多く、長期間 通電をしていないと電子抜けという現象が自然に起こり、
一部のデータが消えていたり、拡張子が壊れてしまう可能性も出てきます。
また例として、オレンジセキュア様 での、
「ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません」エラーの原因と対処法の解説も参考までに。
ほかに、グラフィックソフトで作成したデータを、間違えてレイヤーを統合して名前を付けて保存して、
そのままウィンドウを閉じてしまったり、またはレイヤーを一部削除したまま保存してしまうなど、
作成・編集中のミスによる原因で、画像のデータが乱れてしまうトラブルも起こりえます。
もし、同じ編集データで別のPSDといった画像作成用のファイルがあれば、
そちらから必要なレイヤーの部分を別のファイルに新規レイヤーとして貼り付けて、復元する手法が便利です。
サーバーで共有しているファイルが壊れてしまう原因とは?
次に、外部のサーバーで共有しているデータファイルが壊れた時の理由と、復旧の仕方について。
まず、コンピューターやネットワーク間での、データの送信の際にエラーが起きていて、
ファイルの転送やコピーに失敗していたことが原因であるケースもあります。
また、他のユーザーの方が誤ってデータの書き換えをされていた、というケースもあります。
ネットワーク上のサーバーでの操作のミスにより、共有ファイルやウェブサイトが壊れるトラブルが起きた場合には、
たとえばホームページのレンタルサーバーのサービスでは、一日ごとに、
ディレクトリのデータのバックアップが自動で行われていて、そちらのツールから復元できる見込みがあります。
インターネット上に保存されているデータは、自身で所有されたストレージには保管されていないため、
操作中のシステムのエラーやフリーズ、誤った上書き保存などの理由で拡張子が破損する際の防止策としては、
やはり一括でのファイルのバックアップがほぼ唯一の方法です。
定期的に、外付けハードディスクやRAID、NAS、クラウドストレージのサービスなどに、
データをバックアップしておくと、物理的・システム的ともに後からいつでも、
破損した対象の写真画像や動画、テキスト、HTMLやPDFといったファイルを復旧できます。
ハードディスクやメモリーカードが物理的に破損した時は?
ほかに、あまりない例なのですがハードディスクやSSD、USBメモリといったデータ記憶装置のファイルを
記録している回路(プラッタなど)が、物理的に故障して読み込めなくなるトラブルもあります。
HDDやフラッシュメモリが故障することはよくあるのですが、その多くはモーターやヘッド部分、
差込口といった別の箇所が破損しただけで、ファイルが記録されたメモリの回路自体が壊れるケースはまだ少なめです。
電子機器が長時間 高熱を受けていたり水没したりでもしなければ、
運が悪くない限りは、そうそう完全に内部回路のすべてが壊れることはないでしょう。
自動的にバックアップしたデータから復旧をするには?
また、使用しているユーティリティーによっては、「BAKファイル」という予備のデータが自動的に作成されます。
保存先のフォルダーを開いて、拡張子の部分を「.bak」から、
壊れた対象のファイルと同じ拡張子名に変更をすると、同じデータの復旧ができます。
ファイルが壊れたり、物理的にどこかが破損して読み込みできなくなったハードディスクや、
USBメモリなどのデータ記憶装置は、なるべく早いうちに、
専門のデータ復旧サポートセンターに預けてチェックをしてもらい、
回復が可能なファイルを修復してもらうことで、解決できる見込みがあります。