ハードディスクの基板が故障したら交換できる?

パソコンや外付けHDD、レコーダー、RAID、NASなどのコンピューター機器で、
データ記憶装置として使われる「ハードディスクドライブ」には、
表面に「コントローラ(基板)」というパーツが取り付けられています。

この基板(ハードディスク・コントローラボード:hard disk controller board)は、
読み込みに必要なファームウェアが書き込まれたフラッシュメモリや、
ケーブルを差し込みするための端子などの部品が一体化しています。

そしてプラッタやモーターといった他の回路と違い、ケースの外側に付いています。

そのため、ハードディスクを交換したり増設する時や外へ持ち運ぶ時には、
丁寧に取り扱わなければうっかり破損させてしまうおそれもあります。

HDDの基板が破損する一例

・ハードディスクが何かの角にかすって、基板に傷をつけてしまった。

・強い衝撃や圧迫でHDDのコントローラが割れたり、ヒビが入ってしまった。

・ケーブルを差し込みする、ハードディスクのコネクタのピンが折れた。

・水分などが付着して、回路が錆びて腐食して故障していた。

・過熱や電気で、ボードの一部が焼き焦げて焼損した。

もし基板に深刻な損傷が発生すると、パソコンやサーバー、NASに組み込んで、
いざハードディスクを接続した時に、デバイスが認識しなくなってしまいます。

そんな時、HDDの基板の部分だけが故障している状態なら、
別のハードディスクの方から基板を壊れていないものに交換すれば、
内部に書き込みしたデータを一時的に読み込み直しができる?という疑問について。



IDEのハードディスクのコントローラーを交換するには?

まず、基板は数年以上前のIDEのハードディスクの場合は、普通のプラスドライバーで、
固定ネジを4本ほど外して、下の保護クッションとともに簡単に取り外しができます。

その際、うっかりコントローラやそのインターフェースに傷をつけて、
交換の前に故障させてしまわれないように、ご注意ください。

一昔前のIDE方式のハードディスクや、製品単位(ロット)で製造年月日がほぼ同じものであれば、
まだファームウェアが一致するか、読み込みエラーが発生せずに済んで、無事にデータを認識できる可能性もあります。

SATAハードディスクのコントローラが読み込めない時は?

次に、最近のSATAハードディスクには、六角の星の形をしたトルクスネジが使われています。

そのため、「トルクスドライバー」という別のドライバーを購入して取り外します。

HDDはデリケートな精密機器ですが、基板を取り外しただけなら傷などが付かない限りは簡単には故障しません。

しかし、コントローラの基板は複数のHDDの外観を見るとすぐに確認できるのですが、
「Seagate」や「東芝」、「Western Digital」などの製造メーカーの違いや、
製品別の方式、サイズ、製造年月日、ロットの違いなどによって、
同じメーカー先のハードディスクでも多くの場合、基板の形状が異なります。

たとえば、東芝デバイス&ストレージのFAQなども参考までに

まったく同じ形の基板が取り付けられているHDDは、もしコントローラを交換をしようとしても、
同じ製品を新しく探して購入しなければ、偶然にはなかなか揃わないことが多いです。

また、ケースの表面にハードディスクの基板を正しく当てはめて固定しなければ、
正常にパーツを交換しての接続ができません。

なるべく、プロのデータリカバリーサービスの方に問い合わせて、
内部の必要なファイルのレスキューの措置をしてもらわれることを推奨します。



ファームウェアの違いで読み込めないケースとは?

また、近年に製造されたSATAハードディスクは特に、型番や製品名、基板の形が完全に同じ物でも、
フラッシュROM(搭載メモリ)に書き込まれている「ファームウェア」のデータが、
それぞれ個別の製品ごとに異なる場合が多いです。

そのため、同じ形状で別のHDDに付いていた基板に交換しても、
本体に記録されたファームウェアと整合せずに、エラーを起こす可能性が高いです。

ほかにも、ハードディスクの読み込みができないだけでなく不具合が発生して、
かえって、破損を深刻な状態に悪化させてしまったり、別の故障を引き起こしてしまう危険性も高いです。

また、RAIDの基板が壊れた時にデータの救出はできる?という疑問については、こちらのページにて。

あまり一般の個人では、HDDの基板の交換は無理に行わないようにしましょう。

壊れたパソコンやHDDのデータを復旧してもらうには?

また、HDDのプラッタとヘッド吸着を起こしてしまう物理障害や、
オペレーティングシステムのファイルが破損する論理障害が起きていて、
基板とは関係のない部位で故障していた場合は、基板を交換しても復旧ができません。

そのため、SATAケーブルや電源ユニット、メモリ、マザーボードなど、
別の破損しているパーツを発見して、故障している部分の交換、または修復をする必要があります。

もし基板が破損した場合は、HDDが内蔵されていたパソコンなどの購入先か、
ハードディスクの生産元のメーカー先のカスタマーサポートに問い合わせをして、状態を詳しく伝えてみてください。

基本的にはやはり個人で無理に直そうとせずに、メーカー先に電話やメールで連絡をして、
修理サポートのサービスに出して、コンピューターを直してもらわれることをおすすめします。

基板が故障して読み込めないハードディスクから、早急に内部データの取り出しを
行わなければならない時には、HDDの物理障害に専門的に対応されている、
データ復旧サービス会社に問い合わせをして、依頼をされてみることをおすすめします。