ある日、お使いのノートパソコンで急にオペレーティングシステムの障害や、
電源ユニット、マザーボード、起動ボタン、メモリ、CPUなどのパーツの故障が発生すると、
やはり中身のデータが開けなくなってしまうことも多いです。
そんな時に、故障の診断や修理のためにパソコンサポートに出す前に、
すぐに必要になるファイルを何とかして取り出したい、という際に、ノートパソコンに内蔵されている、
2.5インチ(inch)のサイズのハードディスクドライブを取り外してデータ復活を行う工程について、解説いたします。
目次
ノートパソコンの2.5インチ型HDDを外付けでUSB接続
今回は、Windows7が搭載されたacer製(エイサー)の「ASPIRE5750」シリーズの、
15.6インチのノートパソコンから、内蔵HDDハードディスクを取り外して、
別のデスクトップパソコンに外付けHDDとしてUSB接続する方法を実践しました。
ノートパソコン(Notebook computer)のメーカーの種類や製品の年代によっては、
2.5インチのハードディスクがそれぞれ異なる箇所に収納されていて、
どのようにすれば取り外せるかどうかは大きく違う場合があるため、事前にご確認ください。
ハードディスクドライブをPCから取り出しするには?
まずは(Acerの「ASPIRE5750」の場合)、ノートパソコン本体を裏返しにして、
下側部分にある「acer」と書かれたシールが貼ってあるふたを確認します。
ふたの上下に付いている二つのネジを、少し小さめの+ドライバーで取り外します。
シールを剥がして、次にノートパソコンのふたを指でスライドさせるように取り外します。
右側にメモリ、左側に2.5インチのハードディスクドライブが配置されています。
ここで少しややこしいのですが、先ほど本体から外したネジによって、
内蔵されているハードディスクが、故障して起動できなくなったノートパソコンの本体に固定されていたので、
後は指で左側に少しずつずらすようにHDDを押すと、SATAのコネクタから取り外せます。
最初は少し接続が固くてなかなかノートパソコンから取り外せないこともあるので、
うっかり強く押してコネクタが割れたりしないように、丁寧にゆっくりと引き出します。
ネジの部分に、両面テープが付いていたりして少し固定されていたら、
場合によってはこれを剥がしてから、HDDを取り外します。
外付けHDDケースかUSB変換ユニットに取り付けるには?
次に、2.5インチのハードディスクドライブの読み込みに対応されている外付けHDDケースか、
USB変換ユニット(HDD変換アダプター)が必要ですので、どちらかを購入してそろえます。
※3.5インチサイズに対応された外付けハードディスクケースでは
ノートパソコンに使われている2.5inchの小型のHDDは、読み込みができません。
また、内蔵HDDがSATA方式かIDE方式かどうかで、接続ケーブルとコネクタが異なります。
なので、それぞれに対応されている外付けケースかHDD変換アダプターを用意してください。
USB変換ユニットを使う場合、2.5インチのハードディスクを専用のコネクタに差し込みます。
(こちらはSATA方式の2.5inchのHDDを取り外して、内部のデータファイルを復活させる場合の対処法について。)
ノートPCにステンレスの固定器具が付いていて、コネクタへの接続の時に引っかかる場合は、
その部分を留めているネジも、一時的にマシンのケースから取り外します。
別のパソコンからフォルダーを読み込みして復活させるには?
そして、外付けハードディスクケース、またはUSB変換ユニットの電源を入れます。
それから別のデスクトップパソコンか、ノートパソコンのUSBコネクタに差し込むと、
外部のローカルディスクとしてデバイスに認識されて、ボリュームが読み込まれます。
もし、Windowsなどのオペレーティングシステムが破損していたとしても、
ノートパソコンに内蔵された2.5インチのHDDに記録されているファイルやフォルダーは、開くことができます。
※ユーザー名のフォルダーは最初、アクセスが拒否されたら、
「続行」のボタンを押すと、多くの場合でフォルダーが開けます。
また、HDDを取り外して付け直した後で認識しない時に復旧するには?という疑問については、こちらのページにて。
もし、BIOSに認識自体はされているけれど、2.5インチのハードディスクドライブにアクセスエラーが起きて、
ディレクトリが開けない、という場合には、プロのデータ復元のサービスセンターに注文をして、
ノートパソコンを提出して、内部のファイルやフォルダーを読み込みして復活してもらうことができます。
必要なデータファイルをバックアップする
そして、後は手動でパソコンのCドライブやDドライブ、 または別の外付けHDDやDVD-RW、
USBメモリなどのデータ記憶媒体に、必要なファイルやフォルダーをコピーペーストしてバックアップします。
また、外付けの媒体として接続した2.5インチのハードディスクも通常、
USBメモリやSDカードと同じくリムーバブルディスクとして認識されます。
なので、もしこれまでに間違えて削除してしまったデータなどがあれば、
外付けのデータ記憶デバイス(リムーバブルディスク)に対応できる、
データ復元ツールの機能でスキャンして、ファイルの復活を試みることもできます。
これで、内蔵された2.5inchのHDDの取り外しによるデータ復活の作業は完了です。
続いて、作業が終わったらUSBポートからコネクタを外して、
外付けHDDケース、または変換アダプターの電源をオフにします。
また、日本エイサーのカスタマーサポートなど、各メーカーの製品のサービスも参考までに。
データの取り出しによる復活の手順を済ませた、2.5インチのハードディスクを取り外して、
今度は前と逆の作業で、ノートパソコン本体のコネクタに元通りに取り付け直します。
コネクタへの接続がずれたりネジやふたに緩みがないように、しっかりと固定させてください。
ノートブック型PCを分解する際の注意点
注意点として、自分でノートパソコンを一部でも分解したことがあると、
メーカーや購入店での長期保証サービスが適用されない場合があります。
その場合にはノートパソコンの修理費用を全額、有料で支払わなければならなくなる可能性があるので、
後で修理の注文をする予定の場合には念のため事前に、パソコンのカスタマーサポートに訊かれてみてください。
もう一つの注意点として、モニターやCPUなどの別の部品の破損ではなく、
2.5インチのハードディスクの方がヘッドクラッシュなどの物理障害で故障していると、
外付けの周辺機器による読み込みでのデータ復活の手順も行えなくなります。
もしもハードディスクがどのコンピューターでも認識できない時は、
専門のデータ復旧サービスの方に、取り外したHDD(またはノートパソコンの本体ごと)を送付して、
中身の大事なデータの抽出による復活の作業を行ってもらわれることをおすすめします。