ノートパソコンには大型の20インチから小型の10インチ以下のものなど
様々なサイズがあり、「ネットブック」(netbook)など廉価版のPCや
「MacBook Air」といった薄型の本体など、様々な形状の製品が登場しています。
ノートパソコンがある日、急に故障してしまった場合は、内蔵してあるハードディスクドライブ
(またはSSD)をひとまず起動できないパソコン本体の蓋を開けて取り出して、
別のPCから読み込む事で、中身の大事なデータをサルベージする事ができます。
しかし、小型や薄型の特殊な形状をしたパソコン本体の場合だと、17インチくらいの大きさの
普通のノートパソコンと違ってハードディスクが一般個人で簡単に取り外せない位置に
収納されていて、購入者本人でのデータの救出作業もやや困難になるケースもあります。
そんな時のためのノートパソコンからのハードディスク取り出しの作業の一例を、
参考までの実践手順と写真画像付きで解説いたします。
PCケースの蓋の取り外し
まず、17インチサイズのWindows用のノートパソコンやMacBook Pro/Airなど、
多くのパソコンは本体の「蓋」が「キーボードのある面の裏側」に付いています。
ハードディスクもこれを開けて裏側から簡単に取り出せる位置に設置してあります。
ですが、ネットブックといった一部の小型のノートブックパソコンでは、
キーボードと同じ向きの面がPCケースの蓋になっている物もあります。
そしてキーボードごと蓋(フレーム)を取り外して中身を開けて、
2.5インチサイズのハードディスクを取り出す、という形になります。
※パソコン本体によってはフレームやパーツを取り外すのが大変で、 外し方を間違えたり
力を加えすぎたりするとプラスチック蓋が割れたり パーツのケーブルが切れたりして
ノートパソコン本体が破損してしまうおそれがあります。
また、ネジを回して蓋を開けたり固定シールを剥がして内部のパーツを開けると、
メーカーのカスタマーサポートの「長期修理保証サービス」の対象外になって、
それ以降は有償での修理の注文しか受け付けてもらえなくなる場合があります。
ご自身でPC分解の作業を行われる際には、必ずきれいに掃除された室内で、
丁寧に作業をして自己責任の上で行われる事を、あらかじめご留意ください。
Macbookなどのノートパソコンをお使いで、個人ではHDDの取り出しが難しそうな場合は、
プロのデータリカバリーセンターで、代行作業を行ってもらうこともできます。
小型・薄型のノートパソコンには2.5インチのハードディスク(またはSSD)が搭載されています。
なるべく先にHDDを取り外して念のためストレージの形状を確認して、
それから外付けハードディスクケースを購入してデータをサルベージされてみてください。
(※こちらの実例では、「Asus」(アスース)製の「Eee PC」のネットブックに
内蔵されているハードディスクを取り外して別のパソコンに
USB外部ドライブとして接続した時の手順について解説いたします。)
まず、電源をオフにしているノートパソコン本体を裏面にして、プラスドライバーで固定ネジを取り外します。
MacBookシリーズなどPC本体によってはペンタローブスクリュードライバーやトルクスドライバーを使います。
(他に蓋をロックしているレバーなどがあれば、そちらも開錠のマークの方向にスライドさせて外します。)
次にマイナスドライバーなどを使って、本体の蓋と台の隙間を
端の方からゆっくりと慎重に押し上げていきます。
かなり固く固定されている場合があるので、全てのネジを取り外している事を確認してから
慎重に一か所ずつ押し上げてください。
※蓋には電源スイッチボタンのリボンケーブルが下のマザーボードに接続されているので
無理に引っ張って切れてしまわないようにくれぐれも注意してください。
次に、キーボードを下にしてある金属パネルごと取り外します。
キーボードからも下のマザーボードにリボンケーブルが繋がっているので
誤って勢いで引っ張って破いてしまわないように注意してください。
本体カバーの蓋の下にも各パーツの固定したネジやテ―プがあるので、これらも丁寧に取っていきます。
キーボードと下の金属パネルを取り外したら、その真下に2.5インチハードディスクがドライブベイに
固定されているのがここでようやく剥き出しになって見えます。
マザーボードとは別にインターフェースカードとそのリボンケーブルが
ノートパソコンのHDDの上に被さっているので、パーツの配置によってはこれを先に取り外します。
そしてドライブベイの固定ネジをドライバーで外して、
シリアルATAのコネクタからゆっくりとHDDをスライドさせて取り出します。
無事にハードディスクが取り出せたら、別のパソコンの空きドライブベイに増設するか、
2.5インチHDDに対応された外付けケースかHDD変換アダプターに差し込んで、
USBケーブルでの外部接続でノートパソコンに読み込みます。
(※増設する時は2.5インチ用のマウンターとS-ATAケーブルを買って、デスクトップパソコンの
ドライブベイにネジで固定して、マザーボードにあるSATAケーブル用の
コネクタと電源ケーブルのコネクタを接続させます。)
Windowsパソコンの場合はスタート画面かデスクトップ画面を立ち上げてからエクスプローラーを開いて
「PC」または「コンピューター」を開き、新しいドライブのアルファベット記号が追加されているか確認します。
ノートパソコンに新しく取り付けた2.5インチHDDが無事にデバイスに認識されていたら、
中身の「ドキュメント」や「ユーザー名」のフォルダを開いて、必要なデータを保存して復旧していきます。
そしてファイルをパソコンのDドライブや保存用のDVD-R、または別の外付けハードディスクなどの
補助記憶メディアにコピーしてバックアップを取る形でデータをサルベージしていきます。
しかし、もし取り出したハードディスクが物理障害などの破損で故障していた場合、他のパソコンでも
内部のデータが読み込みができず、そのままではファイルが開かないケースが多いです。
その際には故障していると思われる2.5インチハードディスクを一度、前のノートパソコンに戻すか
またはHDDだけをそのまま専門のデータ復旧サービス業者の方に問い合わせて
提出をしてHDDの分解や抽出による内部データの回収を行ってもらうことをお薦めします。