ネットワークカメラの録画映像データを復元するには?

ビデオカメラに映し出された映像をインターネットに接続してリアルタイムで視聴したり
遠距離からコンピューターで録画やスナップ写真の撮影、アラームなどの操作ができる
ネットワークカメラ』(network camera)は、
現在、防犯カメラやビジネスでのモニター中継などに幅広く活用されています。

ネットワークカメラで撮影している映像は普通にモニターに映すだけでなく、
内蔵または差し込みをしているデータ記憶装置に録画することもできます。

日付ごと、または一定時間ごとにファイルやフォルダーに収めて保存することで、
後でパソコンや専用モニターから視聴し直すことが可能です。

ですがそのデータ記憶装置の最大容量の限界まで録画されると、これらのファイルは自動的に
古い時間の順から削除⇒上書きされていくように設定されていることも多いです。

ネットワークカメラを防犯のための監視カメラなどの用途で常に録画を設定している場合は特に、
使い始めてしばらく時間がたつと、常に新しい記録映像のデータで上書きが繰り返されていきます。

例えばもしある時、カメラを映していた先の場所で何か問題が起きていた可能性が出ていることが
わかり、しばらくたった後で該当する時間帯のデータがすでに上書きされていたり、
ファイルが消えていた、というケースがごく稀に出てしまった場合の対処法について。

その問題が起きたあたりの時間帯に何かが映っているか気になった場合や、何かの用途で
撮影していた大事なファイルを間違えて削除した場合には、あまり時間が経ちすぎていなければ
まだそのファイルの痕跡がデータ記憶装置のクラスターに残留していて、
そこから復元できる可能性も十分に残っています。

ネットワークカメラの記憶媒体は専用のHDDレコーダーに内蔵されたハードディスクドライブや、
カメラ本体の差込口に接続して使うmicroSDカードなどがあります。

microSDカードの場合はネットワークカメラから抜き取ってUSBカードリーダー/ライターに
差し込んでパソコンに接続して、HDDの場合はレコーダーの本体から取り外して
外付けハードディスクかUSB変換ユニットに外部接続して読み込みします。

お使いのレコーダーのフォーマットの構造やOSの種類、アプリケーションソフトウェアの性能と仕様によっては
HDDが読み込みできずスキャンできないことも多いので事前にご了解ください。

Windowsなどでは別のコンピューターでフォーマットされたハードディスクなどがエクスプローラーで
開けない場合もあるのですが、特定のユーティリティーからなら読み込みができるものもあります。



こちらの一例では、株式会社ジャングルより開発・販売されていますデータ復元ソフトの、
完全復元』(完全データ復元PRO)を、Windowsのパソコンにインストールしてから起動して、
拡張子のスキャンと回復の作業を行う場合の手順について記載していきます。

(状況によって操作を進める選択が異なりますので、
 さらに詳しくは各製品の取扱説明書やヘルプを参照にしてください。)

まずはデスクトップの「Re」と書いてある[完全データ復元PRO13]の
アイコンのダブルクリックをしてアプリケーションソフトの画面を起動します。

最初のタイトル画面で「次へ」を押して、Step1で「メディアの種類を選択」の画面で復元対象の
データ記憶装置の種類を選択して、また「次へ」を押して進みます。

Step2の「スキャン対象ボリュームの選択」の画面で対象のリムーバブルディスクの
アルファベット番号を選択して、「次へ」を押して進みます。

Step3の「復元方法の選択」では「ゴミ箱から削除した場合」を選んで
「次へ」⇒もう一度「次へ」を押すと、間違って削除したファイルの検出が開始されます。

(間違ってハードディスクやSDカードをフォーマットして消去した時には
 「フォーマットした場合」を選択して復元作業を進めます。)

しばらく待機して、「消去済ファイルスキャンは終了しました。」とバルーンが出たら「OK」を押します。

Step5の「ファイルの保存」の画面では、
テーブル/サムネイルの画面に検出できたフォルダーとファイルの一覧が表示されます。

左側の枠にある「Block」といった領域の内部にある「不明フォルダ」などの場所に
消去済みのファイルが含まれているので、
これらの中から日付などの基準を目安にして必要な録画映像のデータを探してください。

該当しそうなファイルが見つかったらその拡張子が入っているフォルダーを丸ごと選択して、
CtrlキーとSキーを同時に入力して、パソコンのハードディスクなどの場所に名前を付けて保存します。

そして、閲覧用のアプリケーションなどを開いて、
その映像の拡張子が正常に開けてムービーが視聴できるかどうかを確認します。

ほか、DATASMART 様での、【復旧業者解説】防犯カメラのデータ・上書きの復元 の解説も参考までに。

しかし、ファイルやフォルダーの名前が変わっていたり、同じフォルダーにあった一部のデータ
検出できなかったり、対象の拡張子が破損した状態で修復されていた、といった原因でデータが開けないこともよくあります。

問題なくファイルが復元できたはずなのになぜか開けない、という場合には、
別のアプリケーションソフトウェアからの展開を試してみたり、ネットワークカメラの製造元・販売先の
カスタマーサポートにお問い合せをして問題の解決方法を訊かれてみてください。

ファイルそのものが見当たらず検出できなかった場合は、専門のデータ復旧サービス業者に
注文をして、データ記憶装置を持込か配送で提出して見てもらわれることもお薦めします。