OSが破損したHDDのデータを、増設したドライブから救出

デスクトップパソコンに内蔵されたハードディスク(またはSSD)にインストールして使用している
オペレーティングシステム」が、ある時何かのシステム障害で
破損してしまうと、デスクトップの画面の立ち上げができなくなることがあります。

セーフモードやシステムの復元、スタートアップ修復などの回復機能を
ひととおり試してみて、もしそれでもOSが立ち上がらなかったら
基本ソフト(OS)の再インストール(リカバリー)が必要になる場合もあります。

しかし再インストールをすると今度はCドライブが丸ごと初期化されてしまいます。

もしハードディスクの中にバックアップしていないデータが取り残されたままで
その前にもう一度開き直すには、どのように対処をすればいい?という疑問について。

一般の個人で行う簡単な方法として、別の正常に起動できるオペレーティングシステムを使って
ハードディスクドライブを開いて、ドキュメントなどのフォルダーを開いてファイルを救出する手法、
またその代行作業を実施されているレスキューサービスがあります。

別のドライブでOSを起動するには、以下のような方法があります。

・新品のハードディスクやSSDを増設して、 Windowsの起動ディスクから新しくインストールする。
・事前にパーティションの分割をしていて別の領域に違うOSを
デュアルでセットアップしていたら、そちらから起動してみる。
・前のパソコンで使っていたHDDを一時的に交換して開く。
・ハードディスクを取り外して別のPCに増設する。
・LinuxディストリビューションのOSをCDブートで起動する。
・ノートパソコンの場合は一度2.5インチHDDを取り外して、
 外付けHDDケースやUSB変換ユニットにつなげて別のPCで読み込む。
(メモリやCPU、マザーボードなどの動作環境を満たしていることが必須です。)

※今回の説明では、[Windows 8 ProのOSをインストールしたSSD]をデスクトップPCに
新しく増設してCドライブに設定して、前のハードディスクをDドライブにして読み込む手順を解説いたします。

まず、シャットダウンしてあるデスクトップパソコンのケースから
電源ケーブルやUSBケーブルをすべて取り外します。

ケースの固定ネジを外してふたを開けて、
3.5インチのドライブベイのスペースが一台分余っているかをご確認ください。

2.5インチサイズのハードディスクやSSDを増設する場合は、
製品に付属された[3.5インチ変換マウンタ]にはめ込んでネジで固定します。

デスクトップパソコンのドライブベイにHDDまたはSSDを差し込み増設の作業を始めます。

お持ちのパソコン本体の構造によって作業を行うのが難しそう、という時のために、
プロのデータ復旧サービスで、分解とデータの取り出しの措置を行ってもらうこともできます。




この際、予備で一本、シリアルATAケーブル(またはIDEケーブル)を購入する必要があります。

「SATAケーブル」をハードディスクまたはSSDのコネクタと
マザーボードにあるL字型のシリアルATAケーブルコネクタの空きポートに配線します。

次に、デスクトップPCにすでに付いている電源ケーブルの中で
余った部分のコネクタをハードディスクまたはSSDのコネクタに接続します。

※ドライブベイが余っていなかったり3.5インチ変換マウンタがなくても、
 一時的に接続するだけならPCケースのふたを外したまま机やテーブルに
ドライブを置いて、直接ケーブルをつなげるだけでもPCの起動は可能です。

[パソコンを起動して読み込み開始]

パソコン本体に電源コードとモニターのコード、キーボード、マウスのUSBコネクタなどを取り付けます。

本体の電源ユニットのスイッチをオンにして、起動ボタンを押します。

最初にロゴ画面が表示されたところで
DeleteキーかF2キーを数回押して、『BIOSの設定画面』を起動します。

新しく取り付けて正常なOSがインストールされているHDDかSSDの
名前を探して、別のドライブよりも優先的に起動されるように設定します。
(BIOSの画面はマザーボードによって表示のレイアウトが異なります。)

完了したら再びロゴ画面に戻り、Windowsが起動します。

スタート画面からエクスプローラーを開いて、マイコンピューターのメニューから
Dドライブ(ローカルディスクD)などのディスクアイコンをクリックします。

(HDDがパーティション分けされている場合は、E,F,G~などの
別の仮想ドライブが以前のCドライブの位置になっていることがあります。)

「マイドキュメント」など必要なファイルが収納されているフォルダーを開きます。

大事なデータが見つかりましたらコピー&ペーストなどで、
今現在のCドライブの中か、別の外付けHDDやRAID、NAS、DVD-RW、USBメモリ
といった記憶媒体にデータのバックアップを取ります。

これで、OSの破損して開けなくなったドライブからのデータ救出は完了です。

バックアップが終わったら、リカバリーなどの作業を行ってOSを修復します。

また、パソコン修理アシスタント 様での案内なども参考までに。

※注意として[コンピューターウイルス]が感染してシステムが破壊された場合は、
迂闊にHDDを接続するとかえって中身のデータを破損させてしまったり、
もう一台のHDDのOSにまで感染が広がるおそれがあります。

どこまでが有害ファームウェアに侵食されていて 復元や抽出が可能か、パソコン修理サポート業者や
データ復旧サービスセンターにハードディスクを提出して、内部の診断をしてもらうことをおすすめします。