Microsoft Windows(マイクロソフトのウィンドウズ)のパソコンで、
「外付けハードディスク」や「ポータブルHDD」をUSBコネクタから接続したり、
同じくウィンドウズのデスクトップパソコンに増設してRAIDにしたり、
パーティション領域を増やしてデュアル・ディスク・ドライブとして運用する際、時には問題が出ることもあります。
その中の一つで、ハードディスクが「RAW」という状態で表示されて 、
なぜかデバイスがしっかりと開けないアクセスエラーのトラブルが出た場合には、
どうすればHDDを正常に認識させたり中身のデータを開いて復旧することができる?という疑問について。
目次
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」と出たら?
例えば、ドライブの「ブートセクタ」という部分が何かの原因で壊れてしまうと、
エクスプローラーのファイルブラウザーの画面で、「PC」(マイコンピューター)から
ドライブ文字のアイコンを開こうとする際に、
「場所が利用できません。 ~にアクセスできません。
ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません。」
などのエラーメッセージが表示されて、内部のディレクトリが開けないことがあります。
時には、エクスプローラーにドライブ文字とアイコン自体が表示されない場合もあります。
ですが、外付けHDDケースやRAIDのアクセスランプが正常に点灯していて、
しっかりとデバイスマネージャーやBIOSの設定画面、ブートメニュー画面などに、
そのHDDの名前が表示されていれば、パソコン自体にはしっかりと認識されています。
「ディスクの管理」画面でHDDのRAWの表示を確認
まず、Windows11や10、8・8.1での場合、デスクトップやスタート画面が起動してから、
『コントロールパネル』を開いて「管理ツール」をクリックします。
次に「コンピューターの管理」を開いて、「記憶域」のタブにある「ディスクの管理」を開きます。
現在接続している増設したハードディスクや外付けHDドライブやRAIDなどのストレージと、
そのパーティションの一覧が出てきます。
その中から、読み込めないドライブのアルファベット番号が出ている領域を見つけます。
ここには通常ならハードディスクドライブの箇所に[FAT32]や[NTFS]と表示されているのですが、
問題が出ていると「RAW」という表示に変わっています。
ハードディスクで「RAW」と出る状態とは?
「RAW」(ロー)とは、「生の」という意味で、ドライブの場合では初期化や最適化の際に、
適切なデータ処理がまだ行われていなかったり、また補助記憶装置(Auxiliary storage)に、
論理障害(Logical failure)の問題が起きて正常になっていない状態のことを指します。
この状態にはいくつかの原因が考えられるのですが、マスターブートレコードの
システムファイル(ブートセクタ)に問題が起きていたり、他に別のコンピューター(computer)で、
制御して前に使っていたフォーマットのHDDだったりすると、この状態になる場合があります。
MacパソコンのOSでハードディスクを読み込みする
ひとまず、HDDがLAWと出て開けない時に、無難に内部のデータの読み込みができるかどうかを試してみるには、
もし「MacBook Air」などMacintoshのパソコンをお持ちであれば、空いたドライブベイに取り付けされてみてください。
または外付けHDDとしてUSBコネクタにつなげて、Finder(ファインダー)などから開いてみてください。
また、Windowsではフォーマットが合わずにエクスプローラーなどで読み込みできなくても、
masOS/Mac OS Xなら読み込みできて、自動的にエラーも修復される場合があります。
LinuxのオペレーティングシステムでHDDを開いてみる
次に、Macのパソコンをお持ちでなければ、同じ「Linux」(リナックス)が元モデルのUbuntu(ウブンツ)を、
Windowsのパソコンにインストールして、デュアルブートやマルチブートにします。
もしくはLinux系のディストリビューションのインストールディスクをDVDドライブのトレイに入れて、
CDブートで起動して、そちらで開いても同じく、外付けHDDを読み込めて内部の保存データを復旧できる場合もあります。
次に、古いPCに入れたWindowsをセットアップしているCドライブなどの領域が、
パーティション分割をしていない状態で読み込めなくなった場合に復旧する方法について。
まず、HDDやSSDの取り外しができましたら上記と同じく、別のWindows(ウィンドウズ)のバージョンのパソコンや、
MacやUbuntuでハードディスクドライブを取り付けして読み込んでみると、
そちらでは自動的に、デバイスが正常に開けないアクセスエラーの状態が修復されて開ける場合もあります。
あまりパソコンに詳しくない初心者の方が、無理にHDDの修復の作業を行おうとすると、
新しく何かのデータを書き加えようとする時に、予期せぬトラブルが起こるおそれもあります。
エラーが出ているハードディスクを安全に取り扱う際には、CDブートの方で一時的に開いてみたり、
またはプロのデータ復旧サービスセンターに診断をしてもらい、
「RAW」と表示される問題などが起きたHDDの内部に保存されたデータを救出してもらうことを推奨します。
ローカルディスクにフォーマットを掛ける時の注意
次に、Windowsで使える機能のみで何とか読み込んで解決したい、という場合の対処法について。
まず、「ディスク管理」で対象のLAWと表示されたローカルディスク(Local Disk)の、
ドライブ文字のパーティションを選択して、右クリックして、HDDの「フォーマット」を選択します。
これで、そのハードディスク、またはパーティションの領域が、ウィンドウズのOS向けに初期化されます。
また、XFSのファイルシステムのHDDからデータ復元する方法については、こちらのページにて。
(再確認としまして、クイックフォーマットを実行と今までのデータが消去されて、
対応されたオペレーティングシステムのサービスの仕様なども変更されるので、
初期化をして本当に大丈夫かどうか、念のため注意してください。)
TestDisk(コマンドプロンプト)から復旧する方法とは?
次に、もしシステムファイル以外に何か深刻な障害が出ていなければ、
この措置でデータの保存や変更の状態をリセットして最初から使い直す形で、
一からそのハードディスク(割り当てられたパーティション)を使っていけます。
ディスク管理の画面で「RAW」の文字が「FAT32」や「NTFS」になって、
「PC」(マイコンピューター)でも開けるようになれば、ハードウェアの初期化に成功です。
HDDに重要なデータがたくさん残っているので初期化して消したくない、という場合は、
TestDiskというアプリケーションソフトウェア(Application Software)を、
パソコンにインストールして、この機能でブートセクタを修復してみる方法もあります。
テストディスクを起動してエラーを修復をする
まず、パソコン上のフォルダーに圧縮ファイルを保存して解凍します。
新しく作られたTestDisk(テストディスク)のフォルダーを開いて、
「testdisk_win.exe」のファイルをクリックします。(WindowsのOSの場合)
TestDiskを起動すると黒い背景と白い文字のコマンドプロンプトの入力画面が開きます。
Enterキーと十字キー(cursor key)を押しながら、TestDiskを操作していきます。
(HDDの種類や用途、壊れている状態によって操作の方法が異なることがあります。)
ですが、操作を間違えてしまったり途中でエラーが出て中断したりすると
かえって破損がひどくなってしまう可能性もあります。
必ず自己責任のもとで、操作の手順に間違いのないように行ってください。
また作業の途中に「Backup」という選択の文字が出るので、必ずそちらを選んでください。
データ復旧サービスセンターに出して見てもらう
こちらも同じく、安全に作業を行うには、パソコン修理サポート店かデータリカバリーサービスに問い合わせて、
RAWの状態のHDDを復旧してもらう措置の注文を行ってもらう方法がおすすめです。
しかし、これらの作業をひととおり試してみてもブートセクタの破損が直らなかったり、
もしくは違う部分が故障していたりしててデバイスが正常に開けない可能性もあります。
RAWの状態になったハードディスクをフォーマットをせずに、できるだけ確実に内部のデータを取り出しして、
破損を修復するためには、やはりプロのデータ復旧サービスセンターに問い合わせをして
ハードディスクの内部のファイルをリカバリーしてもらわれることをおすすめします。