スマートフォンのiPhoneやタブレット端末のiPad、またはAndroidのモバイル端末やパソコンを使用している際に、
何かの標準機能やアプリケーションソフトウェア、もしくはインターネット上のサービスで、
誤って必要なファイルやフォルダーを削除した場合には、その機能によってはすぐには表示が消えず、
いったん「最近削除した項目」というディレクトリにデータが移動していることもあります。
ですが、この「最近削除した項目」からもうっかりデータを消去したり自動的に消えてしまった場合は、
後から復元をする方法はある?という疑問について解説いたします。
「最近削除した項目」の内部のデータが消える原因とは?

まず、コンピューター上で「最近削除した項目」のフォルダーの内部からデータが消える時の主な原因について。
「最近削除した項目」、または「ごみ箱」(トラッシュボックス)のディレクトリには、
データの保存の期限が設定されている機能やアプリケーションソフト、サービスが多いです。
たとえばiPhone(アイフォン)やiPad(アイパッド)ではファイルが「最近削除した項目」に移行してから、
30日間もしくは40日間で一時的に保管されて、その期限を過ぎると自動でデータが消去される仕組みです。
サービスによっては60日間と、ある程度の長いデータ保存の期間が設けられているものもあります。
ほかに、無意識的に、またはタップの操作ミスでいつの間にか「最近削除した項目」から、
手動でデータ消去の操作をして二重での削除をしてしまうケースもよくあります。
またゴミ箱関連のフォルダーは、保存したデータ群が指定の最大容量を超えると。
自動での内部処理による整理のため古いファイルから順に消去される設定になっているものも多いです。
ほかに、自動バックアップの設定がオフになっていたり、クラウドへの同期ができていなくて、
予備の最新データが保管されていなかった、といったケースもあります。
ですが状態によっては、まだ適切な措置や専門のサービスでデータを復元できる見込みがあります。
iPhoneやiPadでフォルダーを開いてファイルが残っているか確認

ひとまずは対象のモバイル機器やパソコンで、「最近削除した項目」や「ごみ箱」のフォルダーを再度開いて、
目的の必要なファイルがまだ少しでも残っているかどうか、確認をされてみてください。
iPhoneやiPadのiOSでは「写真」や「ファイル」のアプリに、「最近削除した項目」とフォルダーが表示されています。
WindowsやmacOSではデスクトップの画面に、AndroidはギャラリーのアプリやGoogleの「フォト」に、
箱のマークなどのアイコンとともに、「ごみ箱」または「ゴミ箱」と表記されています。
特に保存の期限が設定された機能の場合は、そのままにすると残ったデータも自動で消去されていきます。
まだ使用するファイルを選択して、「復元」や「元に戻す」の指示で以前の場所にデータの復旧ができます。
また、数百MBや1GB以上の容量があるソフトウェアのフォルダーや圧縮ファイルが入っていた場合は、
必要がなさそうであればついでに削除して、ごみ箱のデータの空き容量を増やすのも管理のコツです。
バックアップした分のファイルがあるかどうかを探す

一方で、もしすでに「最近削除した項目」のフォルダーからもデータを削除していた場合は、
どこかに予備のバックアップの分のファイルを手動か自動で保存していなかったかをチェックしてください。
たとえばiPadやiPhoneの場合は、iCloud(アイクラウド)に登録して自動バックアップを設定していましたら、
アカウントにサインインしてオンライン上のディレクトリを開いて、失ったデータを探されてみてください。
または、パソコンにインストールしたiTunes(アイチューンズ)でのバックアップと復元の機能や、
macOSのFinder(マイファイル)からの手動によるコピー&ペーストをしていたかもお確かめください。
Windowsは「ファイル履歴」や「以前のバージョンの復元」、Androidは「Googleバックアップ」など。
この時点で、パソコンのSSDやHDD、SDメモリーカード、NASから目当てのファイルが消えていて、
バックアップの分がなくてだいぶ時間経っていた時は、それ以上のストレージの通電を控えてください。
対象のコンピューターまたはストレージは、プロのデータ復元のサービスの事業に出して、
表示の消えたファイルを復旧してもらわれることをおすすめします。
拡張子のプログラムが破損して開けない時に修復する方法

次に、ごみ箱のデータまたはコピーしたファイルが破損して開けない場合に修復をする方法について。
まず、元のオリジナルのファイルの拡張子が上書き保存のミスなどでプログラムが破損した状態だと、
バックアップでコピーされたデータも同じ内容で複製されて同様に開けなくなります。
拡張子の名称をいつの間にか書き換えていた場合は、ファイルの右クリックで「名前の変更」で元に戻せます。
またテキストが文字化けしている時は、文字化け修復のツールである程度まで復元ができます。
画像や動画のファイルが破損して正常に映らない場合は、ひとまず対象のファイルをパソコンにコピーして、
「救出データ復元」といったソフトウェアで、不具合の出たデータのプログラムの修復を試みることもできます。
ほか、一時ファイルが保存場所から消えた時に後からデータの復旧をする手法については、こちらの解説コーナーにて。
基本的に「最近削除した項目」に移行しないデータの保存場所もあるため、消去の指示の前にはご注意ください。
表示が消えた拡張子を自力で元に戻せる範囲の限界とは?

次に、「最近削除した項目」や「ごみ箱」のフォルダーから表示が消えた拡張子を、
自力で元に戻す対処が可能な範囲の限界はどれくらい?という疑問について。
まず、コンピューターのストレージやメモリーカードから消えたファイルは、完全になくなったように見えても、
まだ拡張子の痕跡が残っていて、そちら読み取って復元できる可能性があります。
パソコンやUSBリーダーに接続できるメモリーカード、外付けHDDの場合は、上記の「救出データ復元」や、
「ファイナルデータ」といったデータ復元ソフトでスキャンをして、復旧を試みる方法が使えます。
(対応された補助記憶装置は、アプリケーションソフトの製品のそれぞれの仕様によって異なります。)
ですが、自身でサーバを所有されていない電子メールなどのオンラインサービスにあるゴミ箱の場合は、
一度30日間といった保存の期限を過ぎると、自力では基本的に元に戻すことができなくなります。
自分での読み込みや保存の繰り返しによる破損の悪化に注意

また、パソコンやモバイル端末、SDメモリーカードやNASといったストレージからデータの表示が消えた後で、
自分で何度も補助記憶装置の読み込みや新しいファイルの保存を繰り返すと、拡張子の痕跡が上書きされたりして、
だんだんファイルの復元が困難になっていくため、基本的にはいったんその電子機器を使用を控えてください。
特にスマートフォンの内蔵メモリやSSDといったフラッシュメモリは、書き換えのサイクルがある度に、
内部のデータ構造が変化して、誤った操作での破損の悪化が起こりやすい面もあります。
またiPhoneやAndroidには暗号化の機能が標準で搭載されていて、一般のソフトでは解読ができないことが多いです。
ほかに、Logitec データ復旧技術センター 様での、
削除したファイルは復元できる?方法や注意点を詳しく解説 のページも参考までに。
また、もしコンピューターの基板や内蔵のストレージ、ファームウェアが損傷していると、
一般の個人ユーザーではやはり修理が難しく、通電でチップなどの発熱をすると余計に破損する危険も出てきます。
データ復旧サービスの専門業者で復元をしてもらう
まとめとしまして、「最近削除した項目」のフォルダーから誤って消去したファイルは、
バックアップの分があればすぐに元に戻せるのですが、予備のデータがない時は、
対象のコンピューターとそのフォルダーによっては、自力では復活の対処が難しくなります。
また、同時にシステムやパーツの面での問題も発生していたり、暗号化がされている機能がある製品は、
自身でデータの救出を試みるとかえって損傷が進行する危険があるため、いったんは控えた方が安全です。
そんな時のために日本全国の各地にて、パソコンそしてiOSやAndroidにも対応されている、
消えたファイルをスキャンして元に戻してもらう専門業者のデータ復旧のサービスセンターが営業されています。
プロの技術とクリーンルームといった設備を使った精密作業により、ストレージチップの直接の解析や、
破損したパーツの部品交換の工程により、読み込みが難しいデータをスキャンして復元してもらうことができます。





