耐火金庫でデータメディアを安全に保管

パソコンやデジタルカメラ、サーバーといったコンピューター機器の重要なデータを
バックアップした外付けハードディスクやRAID、NAS、DVD-R、SDカード、USBメモリなどの
外部のデータ記憶装置は、普段使わない時に置いておく場所にも気を付ける必要があります。

日光やほこり、湿気、熱気、冷気といった外的な影響を受けやすい所に
置いておくとデータメディアが傷みやすくなります。

また、うっかり固い床に落としたり踏んでしまうなどで強打させてしまうと、
外付けHDDのような精密機器やmicroSDメモリーカードのような小型の装置は
それだけで壊れてしまう危険も少なくありません。

特に危険な事故は、火の消し忘れや空気の乾燥が元で火事が起きてしまった場合、
炎や熱、煙により記憶装置が完全に破壊される災難に遭われてしまうことです。

また地震や強風など他の災害の原因による二次災害での火災が起きてしまう場合もあります。

そんなもしもの災害に見舞われてしまう場合に備えて、データ記憶装置をすべて
耐火金庫(Fire safe security chest :ファイアセーフ・セキュリティーチェスト)に
他の貴重品とともに収納されておくと、後で復旧できる安全度がずっと高まります。



防盗金庫との違い

普通の防盗金庫と耐火金庫との違いは、コンクリートで作られたボックスの壁に
水分が含まれていて、この仕組みにより火に接触した際でも金庫の中の温度が
ある程度の時間、低く保たれます。

盗難対策としてはダイヤル式やテンキー式の鍵が付いている製品も多いですが、
防犯性能では専門の防盗金庫の方が優れています。

製品の耐用年数は約20年ほどで、耐熱時間は30分~2時間~と、製品によって
差があり、また家庭用と業務用とに分かれています。

注意点として、紙幣や書類の焼失を防ぐ目的のみに作られた標準品では内部に充満した
熱や湿気を防ぎきれないため、データメディア対応耐火金庫を選んで購入することが重要です。

セーフティーボックスの価格は数千円で買える手提げ型から1万円の中くらいの物、
また5万円以上の据置き型の金庫など、大きさや防災の精度によってさまざまです。

耐火金庫の製品メーカーは、セントリー、コクヨ、キング工業、クマヒラ、
エーコー、オカムラ、イトーキ、ダイヤセーフ、サガワ、ライオン事務器、などです。

金庫は主に、近くの大きなホームセンターや通信販売で購入できます。

・Sentry(セントリー):耐火・防水CD/DVD専用保管庫 30分耐火 QA0110
・Sentry セントリー:ポータブル耐火保管庫 30分耐火  A4サイズ収納可 1160
・コクヨ:CB-F1M 耐火金庫:ファイアセーフ ケース)A4サイズ など。

他、一時的に必要になった場合はレンタルで使う、という方法もあります。

ほか、金庫通販.jp 様での、データ・メディア保存タイプ の一覧も参考までに。

実際に火災が発生した時、スプリンクラーや消防車からの水で金庫の中に
浸水してしまったり、台風や洪水などで金庫が水没してしまう事故にも備えて、
防水機能も備えた製品を購入するとさらに安全です。

破損してしまうケース

しかし耐火金庫に記憶装置を保管していても、長時間熱にさらされてしまったり
中に水が浸水してしまったり、建物が倒壊して高いところから落ちたり
相当な重圧を受けて割れてしまうなどのトラブルもあります。

たとえセキュリティー・チェストでも絶対に安全とまでは言い切れません。

もしも金庫内の外付けハードディスクやSDカード、USBメモリ、DVD-RW、MOなどが
熱や水で破損して読み込めなくなったら、すぐに専門のデータ復旧センターに出して
データメディアの保存ファイルが引き出せるかを検査してもらわれることをお薦めします。