ネットワークに直接接続して運用する『LAN接続型ハードディスク』は
Windowsといったパソコンと違い、外部ストレージのケースに搭載して管理するHDDです。
「ネットワークアタッチトストレージ」(NAS)とも呼ばれている一体型単機能サーバーで、
(ストレージデバイス・専用ファイルサーバー)としても機能しています。
主なネットワークHDDの製品には、BUFFALOのLinkStationとTeraStation、
I-O DATAのLANDISK、QNAPのTurboNAS、NETGEARInc.のReadyNAS、ASUSTORのNAS2-Bay、
SHUTTLEのCASENASOne-bay、SynologyのDiskStation、アユートのネットワークHDDケース、
センチュリーのシンプルNAS BOXPLUS2BAY、などがあります。
目次
NASに保存したファイルを失うトラブルとは?
これらのNAS(あるいはネットワークドライブとも)は、
複数のユーザーや複数のコンピューター装置で共有して使用するのが主な目的で使います。
しかしその分、ファイルの取り扱いにおけるトラブルが起こりやすい、というケースもあります。
例えば、無線LANからパソコンやモバイル端末でアクセスしたユーザーの一人が、うっかり誤って
他のユーザーの方が保存されていたデータを削除したり、他のファイルや内容で上書き保存してしまった場合など。
あるいは、NASに組み込まれたRAIDのディスクアレイが崩壊してしまったり、
ファームウェアの読み込みエラーの障害が起きてアクセスできない、といったケースなど。
そんな時にはどうすれば、消えたり読み込めないデータを修復できる?という疑問について。
ハードディスクのジャーナリングファイルシステムの違いとは?
まず、外付けのLAN接続型のHDDの場合、ジャーナリングファイルシステムが
パソコン本体ではなくNASの本体でフォーマットされて管理されています。
エクスプローラーからは、通常の外付けハードディスクのようにローカルディスクとしては接続されていないため、
削除したデータファイルは、パソコンではなくNAS自体のゴミ箱フォルダーに移行します。
ネットワークドライブの内部のデータが論理障害で消えてしまった場合は、製品によっても異なるのですが、
個人でファイルを復元できる方法が普通のローカルディスクや外付けハードディスクよりもやや限られてきます。
ネットワークドライブのファームウェアのエラーを復旧するには?
ネットワークドライブ(network drive)の製品にメーカーから導入されている「ファームウェア」に
何らかのエラーが発生してアクセスできない時には、製作会社のホームページをパソコンから開きます。
ファームウェアのアップデーターのプログラムが配布されていましたら、
これをパソコンにインストールしてセットアップします。
そしてNASを接続して更新作業を実行すると、エラー障害から修復できます。
NASのケースが電源回路やコントローラーボードなどのパーツの破損で故障して
問題が出ている場合は、メーカー先の修理サポートに送付して直してもらいます。
しかし、ハードディスクの方のデータはセキュリティー上の安全のために一度初期化して削除されます。
そのため、中身のファイルを取り出しするには先にデータの回収の作業を行う必要があります。
LAN接続型ハードディスクから消えたデータを復元するには?
個人で行う場合はハードディスクをお使いのLinkStationやTeraStation、LANDISKから取り出して
デスクトップパソコンに増設するかUSB外付けHDDケースに差し込みして接続します。
そのままの状態では「XFS」などファイルシステムがWindowsやMac OS Xと違うため、
エクスプローラーやFinderからデータを開く事ができません。
そこで「復旧天使」などの別のファイルシステムから読み込みできる
データ復元ソフトウェアを購入してからパソコンいにインストールして開きます。
展開できたデータをローカルディスクや別のリムーバブルディスクにバックアップします。
NAS対応のデータ復元ソフトウェアを使用する
またネットワーク内で削除されたファイルはゴミ箱ツールには移動されずそのまま消去されてしまいます。
何らかのエラーで失ったデータを元に戻すにはHDDをネットワークドライブケースから取り出して
直接パソコンに開いて復元するのですが、標準の状態ではWindowsやMacからの操作はできません。
そこでやはり同様にNASのフォーマットに対応されたに「復旧天使といった」データ復元ソフトウェアで
LAN接続型ハードディスクから削除したファイルをスキャンして復元する、といった作業を行います。
プロのデータ復旧サービスで修復してもらう
しかし一般個人では必ずしもPCからソフトウェアを用いた作業ですべてのファイルを
復元させる事ができない可能性もあります。
また、ハードディスクが物理障害で全て故障してしまった場合は、
RAIDのリビルド機能も使えず、そのままでは中身のデータが開けません。
これらの場合で、確実にLAN接続型ハードディスクの内部にあったファイルを救出するには、
プロのデータ復旧サービス会社に出して、作業を行ってもらうことをおすすめします。