物理フォーマットでデータが全部消えたら復旧はできる?

ハードディスクドライブやSSD、USBメモリ、SDカード、またフロッピーディスクやCFといった、
データ記憶装置を「フォーマット」(format)する、とは、形式を書き込みないし変換して、
ストレージを一度初期化させて、中身のファイルを全部消して真っ白にすること、
または、購入した製品の形式を決定して、新しいデータを書き込みできる状態にする作業のことです。

そのうちの。物理フォーマット(ローレベルフォーマット)を実行したストレージは、
後から消えたデータを復旧することはできる?という疑問について。

論理フォーマットによるストレージの初期化とは?

まず、形式の変更の作業は『論理フォーマット』と『物理フォーマット』に種類が分かれています。

最近のパソコンといったコンピューター上で行われるのは、主として論理フォーマットです。

一方で物理フォーマット(low-level format)の方は、以前はフロッピーディスクなどで行われていましたが、
今はハードディスクドライブなどのストレージの製造の段階で施されるくらいの作業で、
一般の個人では、あまり実行する機会はなくなってきています。

そのため、うっかりHDDやメモリーカードを初期化して必要なファイルが消えてしまった、
という場合は、大体が論理フォーマット(high-level format)の実行でのトラブルです。

そして、論理フォーマットによる初期化で間違えて削除したファイルは、
まだ専用のツールを使うかプロのサービスに提出して、データの復旧ができる見込みがあります。



データを物理フォーマットで全部消去すると後からの復旧は難しい?

(こちらの項目の内容に間違いの表記があったため、訂正をいたしました。大変失礼いたしました。)

ですが、二十年前以上とだいぶ前に使っていたフロッピーディスクや古いHDDがあって、
そちらのデータが初期化により削除されていた場合は、物理フォーマットで行われていた可能性もあります。

物理フォーマット、特に以前にFDに使われていたような実行の内容は、
論理フォーマットに比べてファイルを消去した、という情報を与える仕組みのものものではなく、
そのまま直接的にデータが抹消されるため、後からの復旧は極めて困難、もしくは不可能です。

ディスクやメモリーカードが破損している時は?

一応、最近のテクノロジーでは物理フォーマットが行われたストレージからでも、
書き換えの跡からデータを読み取っていく技術もあるのですが、
一般の個人では設備などの点から、ほぼ不可能な作業です。

また、だいぶ前のディスクやメモリーカードといったストレージということで、
それ自体が経年劣化などにより、中身のデータもしくは精密機器の回路が破損して、
中身のファイルやフォルダーが読み取れない可能性もあります。

物理的なフォーマットは実際には行われていなくて、ストレージのパーツが故障しているだけで、
ディスクやメモリチップにファイル自体はまだ残っている可能性が高い、という際には、
専門業者のデータ救出のサービスで、中身のデータを取り出してもらえる見込みもあります。



ディスクフォーマッタや破砕消去のサービスで処分する

次に、OSの機能やフォーマッタ(Formatter)でストレージに論理フォーマットを実行すると、
データ記憶装置の容量がほぼすべて空いた状態に表示されます。

ですが、新しいファイルやシステムを書き込まなければ、まだ痕跡のデータの多くがセクタに残っています。

しかし、その上からさらに物理フォーマットをかけてしまうと、
初期化により、ほぼ完全にデータの書き込みの容量がなくなり真っ白な状態です。

ハードディスクドライブのセクタを書き直す作業、またCDやDVD、ブルーレイディスク、CF、FDなどの、
外部のデータ記憶媒体の埋まった容量を白紙に戻す際には、十分にご注意ください。

また、データ記録装置を論理フォーマットで初期化しても、完全に削除できているわけではありません。

例として、廃棄処分時にデータ完全消去が必要な保存機器については、こちらのページにて、

フォーマットした後の補助記憶装置をそのまま廃棄処分したり、譲渡・売却して、
万が一悪質な第三者に渡ると、ストレージを不正に利用されてしまう危険も0ではありません。

そのため、WindowsやmacOS、Linuxのパソコン、サーバーやNASに内蔵されたハードディスクドライブやSSD、
また重要なデータを保存したことがあるUSBメモリやSDカード、BD-RE、DVD-RW、CD-RW、
あるいは古いコンパクトフラッシュやMOなどの、補助記憶装置の製品を廃棄処分する際にはご注意ください。

BUFFALO 様でのDisk Formatter2(ディスクフォーマッタ)といったソフトウェアで物理フォーマットを掛けたり、
データ記憶装置の破砕消去といった措置による完全データ削除のサービスで、
セキュリティの保護として廃棄してもらうことを推奨します。

誤った論理フォーマットで消えたファイルの復元をしてもらう

また、論理フォーマット(logical format)で誤って必要なファイルまでまとめて初期化で消した時も、
やはりエクスプローラーやダイアログボックス、ゴミ箱ツールの内部などに表示がされなくなります。

ですが、上記の通りまだ必要な消えたファイルを引き出して、
全部は難しくとも、ある程度までデータの復旧ができる見込みはあります。

クイックフォーマットやディスクアレイの再構成で初期化してから、だいぶ時間がたっていたり、
多くのファイルをすでに新しく書き込みしていた時は、
専門の事業であるデータ復旧のサービスセンターに出して、復元をしてもらわれることをおすすめします。