パーソナル・コンピューター(personal computer)をはじめとする多くの電子機器には
代表的なデータ記録装置である[ハードディスクドライブ]が組み込まれています。
HDDはもともと消耗品の一種で物理障害により壊れやすい面があり、
内部回路のスイング・アームやプラッタが密着して傷が付くヘッドクラッシュや
物理的にクラスターが壊れる破損クラスターといった故障の影響で
ある日、急に異音が鳴ると同時にデータが読み込めなくなることがあります。
そんな時にはパソコンやサーバ、RAID、外付けHDDケース、レコーダーなどの
電子機器の中に搭載されているハードディスクを一旦ケースから取り外して
新品に入れ替えたり、壊れたHDのデータを復旧してもらうことで修理を行う必要があります。
またそれ以外に、もっと最大容量の高い製品に交換したくなった時や、
もう一基のドライブを増設したくなった場合、または新しいPC本体を買って
そちらに入れ替えしたい場合などでも、換装作業を行うことになります。
交換作業時の主な注意点
デスクトップパソコンの場合はまず、電源を切った状態ですべてのコードをコネクタから外して、
PCケースのネジを指回しかドライバーで取り外して、蓋を取って開きます。
実際に内部パーツの取り外しをする前に先に、
内部の淵やファンのプロペラに溜まった埃やごみを除去していきましょう。
パソコンケースの中身の構造によって若干異なるのですが、基本的には
ステンレスの止め具部分から固定ネジを外してスライドさせていくとHDDを簡単に取り外せます。
ですが、ノートPCやケースが小型でスペースの狭いマシン本体だと、
他のパーツや拡張機能の部品に引っかかって取り出しできないことがあります。
その場合は同時にそのパーツも一時的に取り外す必要が出てきます。
ネットブックの場合は蓋が非常に開きにくい構造になった製品も多いです。
モバイル端末機器の場合、一般の個人ではケースを開けられない製品もあります。
密接されたカバーを無理にこじ開けて割ってしまわないように注意してください。
E-IDE(パラレル転送方式)のIDEハードディスクの場合はコネクタが大きく平らな
IDE信号ケーブルを、マザーボードの青色で横に長いIDE用インターフェースと繋げます。
次に、ジャンパピンとIDE用電源コネクタもハードディスクに接続します。
Serial ATA(シリアル転送方式)の SATAハードディスクの場合は
少しコネクタの小さいSATAケーブルを、
マザーボードにある赤色で小さなSATA用のインターフェースに繋げます。
次に、SATA用電源コネクタをハードディスクに取り付けます。
IDEからSATAにHDD製品を入れ替える時は、これらのコネクタの違いと配置場所を
同梱の取扱説明書などに沿って確認して、付け間違えのないように交換作業を行ってください。
設置作業が終わったらケースカバーを閉じる前に一度コンピューターの電源を入れて、
新しいハードディスクが正常に認識されるかどうかを確認してみましょう。
そして、新しいローカルディスク(Cドライブ)にオペレーティングシステムを
インストールし直してセットアップを行います。
ハードディスクを増設する場合、PCケースの内部にHDDを収納できる空きスペースと
マザーボードの空きコネクタが1か所以上残っているかどうか、先に蓋を開いて確かめてください。
空きスペースがない時は、外付けハードディスクやネットワークドライブなどの
外部記録媒体を購入して使用していくことをおすすめします。
もし上記のようなそれぞれの理由で、個人でHDDを取り外して交換する作業を行うのが
難しそうな場合は、メーカー先のカスタマーサポートに出してみたり、
専門業者のパソコン修理サービスに即日の出張訪問で来てもらい、
換装作業を代行してもらう、といった解決方法があります。
また、壊れたハードディスクからデータを引き出してもらいたい時も
データ復旧サービスセンターにコンピューター機器の本体ごと
郵送か持ち込みで出す場合でももちろん請け負ってもらうことができます。