近年のパソコンやサーバー、モバイル端末などのコンピューター製品は、
技術の進歩により 読み込み速度や最大容量、グラフィック面でのビジュアル、
そして小型化といった、さまざまな面で大変すさまじい速度の進歩を遂げています。
そして機材の物理的な故障やOSのエラー、アプリケーションソフトウェアのフリーズなどの
今まで頻繁に起きていたアクシデントが発生する回数も格段に減少しています。
しかしながら、特に電子計算機の関連製品は
やはりそれでも日々の稼働や取扱いの時に負荷がかかりやすく、
時々まるで意図しないような破損の現象が発生する可能性も出てしまいます。
パソコンに内蔵されたハードディスクやSSD、NAS、USBメモリ、SDメモリーカード、MO、
CD-R、DVD-RM、フロッピーディスク、メモリースティック、コンパクトフラッシュなどは、
うっかり機材の使い方や取り付け方、読み込みの仕方を間違えると
データの読み書きに失敗するだけでなく思わぬ破損を招くおそれがあります。
・まず基本的なミスの一例として、ハードディスクやSSDを
IDE・SATA用ケーブルや外付けHDDケース、USB変換ユニットなどに差し込む際、
向きを間違えたり、ずれた位置で強引に接続しないように注意してください。
よくありがちなミスなのですが、そのためにケーブルやユニットが割れたり
プラグが折れ曲がって壊れてしまうこともあります。
(筆者も以前に取り付け方を間違えて外付けハードディスクケースの一つを
壊して使えなくしてしまったことがありました。)
接続用の装置の方が故障しただけならまだ良いのですが、 ハードディスク本体の方の
プラグが折れ曲がったり、コントローラに傷が付いて割れてしまったりしたら大変です。
そのままディスク内部のセクタへのアクセスができなくなって、
貴重なデータが開けなくなって結果的に閉じ込められてしまうことです。
ハードディスクの基板(コントローラボード)は特に近年の物だと一つ一つの製品の
形状が違う上に、フラッシュROMに記録されているファームウェアのデータも違います。
そのため破損していない別のHDDのコントローラーに個人で交換しようとしても
中身のデータを結局開けないことがほとんどです。
・またSSD(ソリッドステートドライブ)やSDカードなどのメモリーカードは、
ケース本体とコネクタの部分が完全に一体化しているため、
一度折れたり欠けたりすると一般の個人では交換自体もできません。
コネクタの金属部分に水滴が付着して錆が付いたり、
焼損や高熱で歪んでしまうとやはり高確率で読み出しができなくなります。
外部から見ても明らかに破損がひどい時は、それ以上は無理に読み込むのは控えて、
プロのデータ復旧サービスに注文をして、記憶装置の内部ファイルを開いてもらうことを推奨します。
・コンパクトフラッシュ(CF)のようにケースに穴が開いているタイプの
コネクタになっているメモリーカードの場合は、差込口に
砂やホコリ、小さなゴミが詰まって接続時に異物が挟まる状態になると危険です。
・スマートメディアやxDピクチャーカードのように接続面の金属部分が
一部むき出しになっている薄い形状の記録装置は特に、机の上に置いたまま
長時間うっかり高熱などに当てられたりしないように常に安全に保管してください。
・CD-RWやDVD-RW、BD-REなどのカートリッジで保護されてないディスクメディアは
よく裏面の記録層にあたる部分に傷や汚れが付きやすくなります。
少しくらいの細かい傷や付着物なら、市販のディスククリーニングキット
(研磨機)できれいに洗浄すると、大抵はまた正常に読み込むことgできます。
ですがあまりに深く大きな傷が付いたり、広範囲で落ちにくい汚れが付くと
市販の研磨機ではすべて洗浄しきれない場合もあります。
・MO、MD、FDなどのカートリッジで保護されたディスク媒体も、
うっかりディスクを床に落としたまま足で 踏んだり体重で圧迫してしまうと、
ケースごと割れてプラスチックの破片で破損してしまうおそれもあります。
・他に、数千回〜数万回ものデータの書き込みの繰り返しで
記録装置としての寿命を迎えると、破損して使えなくなる場合もあります。
特にUSBメモリやMOなどはつい読み出し、書き込みの回数が多くなりがちで
ある日突然理由がよくわからないまま読み込みできなくなることがあるので、
バックアップをしていないままデータが読み込めなくならないようご注意ください。
・使わない時に保管している場所があまり機械類に良くない環境だと、
記憶装置の経年劣化による故障が早まってデータが開けなくなる場合もあります。
ある日に久々にHDDやメモリーカード、ディスクを読み込んでみたら
なぜか開かなくなっていた、ということも実際によくあります。
また、FDD Works 様での案内なども参考までに。
貴重なデータは必ず、外付けハードディスクやDVD-Rなど
ある程度長持ちして丈夫なディスクメディア、またはクラウドサービスなどに
少なくとも二つ以上の媒体にバックアップを取ることが望ましいです。
ですが、もしバックアップを取っていない時に記録装置が破損しても、
例えばハードディスクの外側に付いているコントローラーが割れた時やUSBメモリ、
SDカードなどの接続面が壊れただけなら、まだ中身の円盤や記憶チップは
大抵の場合は無事で、USBカードリーダー/ライターなどで読み込むことができます。
表面に出ているプラグなどが一か所破損しただけでも、一般の個人では
中身のファイルの読み込み直しがほぼ不可能になる場合も多いです。
ですが専門のデータ復旧サービス業者に壊れた記録装置を提出して、
内部の閉じ込められたデータを抽出してもらうことで解決ができます。