RAIDから消去したデータファイルを復元するには?

RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)のシステムに組み込まれた、
ハードディスクドライブにあるディレクトリから、操作のミスで必要なファイルやフォルダーを削除したり、
誤ってディスクアレイの再構築をしてフォーマットを掛けてしまった時に、
HDDから消去したデータの復元をするには、どのように操作をすればいい?という疑問について。

RAIDのストレージから削除したデータの復旧をするには?

こちらの一例では、バックアップ用に使っている「RAID5」(レイドファイブ)のストレージから、
必要なファイルを削除ミスなどで消去してしまった場合に、
Windowsのパソコンからデータの復旧を実行する手順を解説いたします。

今回、作業の実践に使用したのは「株式会社インターコム」で開発・販売されている、
Superファイル復活4」というソフトウェア製品です。

こちらはハードディスクの多重化構造になったRAIDドライブからの、ファイルの検出も可能な仕様となっています。

RAID(リダンダント・アレイズ・オブ・インディペンデント・ディスクズ)は、
読み込みの高速化や、内部のデータ保存の多重化(冗長化)による保護のために、
複数台のハードディスクを1台にまとめて仮想化して使うことの多い、特殊なシステムとなっています。

そのため、市販のユーティリティーの一部は、RAIDのディスクアレイのドライブのスキャンには、
ファイルシステムのフォーマットの関係などで、復元に対応されていない場合もありますのでご注意ください。

その際には、プロのデータ復元サービスに出してサルベージの作業を行ってもらうことが、より確実な方法です。



データ復元ソフトウェアをインストールする

まず、今回のRAID(レイド)は外付けハードディスクとして使っているので、
DVDブートでの起動は行わず、普通に手持ちのパソコンの1台(Windows8.1/10/11のOS搭載)に、
データ復元ソフトウェアのインストール・セットアップしてから起動します。

またSuperファイル復活4はブート起動で使う場合、RAIDからの読み込みには対応されていない仕様です。

レイドのモードの種類やフォーマットの形式によっては、修復作業がうまくいかない可能性もあります。

外付けのRAIDケースを丸ごとフォーマットしてデータをすべて消去してしまった、といった場合は、
拡張子の痕跡データが検出ができないファイルもある程度出てしまいやすくなりますので、事前にご了承ください。

USBコネクタからハードディスクのボリュームを読み込む

次に、Superファイル復活4の製品のインストール・セットアップが完了したら、
RAIDのUSBケーブルをパソコンのUSBコネクタに接続して、ハードディスクのボリュームの読み込みを始めます。

(こちらの例で使用しているデータ記憶デバイスは、HDDを4台搭載したBUFFALO製の
 DriveStation(ドライブステーション)で、RAID管理ユーティリティーで「RAID5」に設定しています。)

インストールの後で新しくできたデスクトップのアイコンのダブルクリックをして、
データ復元ソフトの「Superファイル復活4」のウィンドウを起動します。

もしRAIDのHDDが、ファイルシステムのフォーマットの違いなどで読み込み自体ができない時は、
専門の復旧サービスにて、失ったデータのサルベージの作業を行ってもらうことができます。

間違って消去したファイルの拡張子をツールでスキャンする

最初に、データ復元のツールの画面で「ファイルスキャン」のアイコンが選択されているので、
そのまま手順に沿って「次へ」のボタンをマウスでクリックします。

スキャンをする、玄人志向といったといったRAIDケースにあるハードディスクのドライブ名を、
一覧から選択して「次へ」を押します。

次の画面で『高速ファイルスキャン(推奨)』が選択されているので、そのまま「開始」を押します。

レコードの読み込みと、過去に間違って消去したファイルの拡張子の中で、
まだRAIDのハードディスクドライブのセクタに残っている、
痕跡データの検出が行われる仕組みですので、スキャンが開始したらしばらく待機します。

(数十TB(テラバイト)以上の大ボリュームなRAIDアレイだと、
 コンピューターの性能とスキャン機能の選択によっては、10時間以上かかる可能性もあります。)

「検索が完了しました。」とバルーンが出たら「OK」を押します。

データの一覧のプレビュー画面を確認する

次に、「Superファイル復活4」の裏側のもう一つの画面にある「プレビュー」のタブに、
RAIDのHDDやSSDのセクタにある、痕跡から検出ができたファイルの一覧が表示されます。

左側のサイドバーの上部にある「ファイルの種類」を選ぶと、ツール上のリストに、
「JPG」「MOV」、またはエクセルやワード、パワーポイントなどで使うそれぞれの拡張子、
という具合に、名称での種別ごとにデータの一覧が出てきます。

この中から、復元させたいファイルを選んで順にチェックを入れてきます。

※ここで表示されるファイル名は、もともとの名前ではなく英数字に変わっています。

JPGなどの拡張子は、一覧から選択するとプレビューの画像が映りますので、
この機能と、更新日・作成日の日時などを元に、復元する予定のファイルを探して確認をしてください。

しかし注意点として、ディスクアレイの方式の複雑さやアクセスエラーによって、
ストレージの読み取りがうまくいかない可能性もあります。

その際にも、専門事業のデータリカバリーサービスで、
消去や破損のトラブルが起きたストレージから、ファイルを復旧してもらわれることを推奨します。



拡張子をフォルダーに保存して復元する

次に、元に戻したいデータすべてにチェックを入れたら、
上にある「ファイルの復活」のフロッピー型のアイコンを押します。

「参照」の枠で、RAIDケースにある、HDDの名称を確認してください。

基本的には、そちら以外の新しい保存先のフォルダーを選択して、「OK」を押します。

これで、そのフォルダー先に選択済みのファイルの拡張子が復元されます。

消去したファイルの修復と新しい書き込みが完了したら、また「OK」を押します。

最後に、保存先のフォルダーを開くと新しく、
「Superファイル復活4」でスキャンしたドライブのアルファベット名で、新規フォルダーが作られています。

その中の「ルート」のフォルダーをさらに開いて、復旧されたファイルがあって正常に開ければ、
RAIDのハードディスクから消去したデータの復元の作業は完了です。

また、RAID1から削除したファイルを復元する手順について詳しくは、こちらのページにて。

当ホームページでは、他にもノートパソコンのHDDやNASといった多くの補助記憶装置からの、
失ったファイルの復元をする手順や、読み込めない機材からのデータ復旧を行う方法を記載しています。

消去した必要なデータの復元の作業やコンピューターの上の設定は、とても難しいこともあるのですが、
正しいやり方さえわかれば、ある程度は自分自身でもできるものです。

少しでもお役立ちできるコツを、日々提供させて頂いています。

「ファイルが破損しているか、大きすぎる可能性があります。」と出たら?

次に、データ復元ソフトでRAIDのHDDやSSDから検出して保存した拡張子をユーティリティーで開こうとしたら、
「ファイルが破損しているか、大きすぎる可能性があります。」
というエラーメッセージが出て、開けないファイルが含まれている場合もあります。

その場合は一応、別のアプリケーションソフトなどで開けるか試してみてください。

一部の拡張子は、破損した状態で修復される場合もあり、テキストが部分的に文字化けしたり、
画像データが一部削れた状態になっていることがあります。

データ復旧サービスにRAIDのHDDを提出する

また、必ずしも以前にディスクアレイのボリュームから消去していたすべてのデータの復元が成功するとは限らず、
物理障害には非常に耐性のあるRAID5やRAID6も、誤った削除やフォーマット、ミラーリングの崩壊といった、
システム的なトラブルには弱い一面もあります。

なので、できればRAIDに保存した中でも特に重要なデータは別の外付けハードディスクなどの補助記録装置に、
さらに予備の分のファイルのバックアップを取っておかれることをおすすめします。

また、専門業者のデータ復旧サービスに注文をして、RAIDケースまたはHDD送付して見てもらえば、
一般の個人で行うよりもより高確率で、間違って消去していた拡張子を修復してもらえますので、
できるだけ確実にファイルを復元したい時は、やはり専門の事業での依頼の方をおすすめします。