「USBフラッシュ・メモリ」(USB flash memory)は、
パソコンなどで差し込みするコネクタ(差込口)がUSBの形状のメモリーカードです。
そのため、カードリーダーや専用のアダプターを中継せずに、
直接パソコンなどのUSBコネクタのあるコンピューターに接続して使えます。
容量も現在32GB、64GB、128GB、また1TBと大きめの規格が登場して、また小型で持ち運びも簡単で
非常に使いやすいので最も普及したメモリーカード媒体として幅広い用途で一般的に使われています。
ですが、もしある時にUSBメモリからデータが消えた場合、
その原因と復旧の方法にはどういったものがある?という疑問について。
目次
USBで接続する装置からファイルが消失するアクシデントとは?
まず、USBメモリは一時的なデータ記録装置として向いている媒体です。
重要なファイルを長期的に保存するのには、あまり向いていない面もあります。
たとえば、しばらくUSBメモリを通電せずに放置したら電子抜けによって保存していたファイルが消えたり、
購入してあまり時間がたっていなくても壊れた、というトラブルが起きる可能性も高いです。
しばらく読み込みをせずに放置していたらある日 急に中身のデータが消える、
といったアクシデントが出てしまった場合、機器の状態によってのさまざまな原因があります。
また、USBメモリは補助記憶装置の中でも故障しやすく、一度壊れてしまうと、
もう一度開ける見込みは低いため、バックアップの分がない時は、
物理障害に対応されたデータ復旧サービスセンターにて、見てもらわれることを推奨します。
USBメモリの内容がデータが勝手に消える時に修復するには?
次に、USBメモリのデータの内容が勝手に消える場合に、問題からの修復をする方法について。
まず基本としまして、別のUSBメモリを購入して、そちらに交換をして使用をし直してみてください。
これまでのUSBメモリがだいぶ古くなっていると、アクセスに支障が出て、
書き換え可能な回数の寿命で、正常にデータの保存ができていなかったりする可能性があります。
また、パソコン上でUSBポートの差し込みした箇所や順番を変えると、
データそのもの消えていないのですが、「最近で使用したファイルの一覧」では表示が消えることもあります。
その場合は、前の配置と順番に戻してUSBコネクタの端子を接続すると、一覧の表示が以前の状態に復旧できます。
ほか、パソコンがコンピューターウィルス(ワーム型のプログラム)に感染していないかどうか、
アンチウィルスソフトでスキャンを掛けて、隔離・駆除の手順を実行されてみてください。
長期間の放置で自然消滅する電子抜けとは?
まず、ファイルが消える特に多い事例に、『トンネル効果』(Quantum tunneling)という、
「電子のすり抜け」の現象によるデータの破損が原因として挙げられます。
最後にUSBメモリに上書き保存をしてコネクタから取り外してから、棚の上や机の引き出しの中に、
何年も使わずに放置すると、回路の内部のセルでファイルの配列を構成している「電子」が、
自然現象で次第にゆっくりと少しずつすり抜けていきます。
トンネル効果の発生で、拡張子としての形が維持できなくなるとファイルが消滅したり、
容量が0バイトになったりして、データが破損して読み込めなくなることがあります。
そのため、貴重なデータはUSBメモリのみに書き込んだままにせずに、
こまめにパソコンのDVD-R、外付けハードディスク、RAID、NAS、クラウドサービスといった、
別の長持ちしやすいデータ記憶装置に、バックアップを取ることが大切です。
データの書き換えの膨大な繰り返しでも故障する?
次に、USBメモリはハードディスクと比べると平均的に容量が多くはない装置です。
また、持ち運びの機会も多い分、破損しやすい消耗品ともいえる機器なので、
あくまで時々データの書き込みを行う、くらいの使い方がベストです。
容量の重いアプリケーションソフトウェア(Application Software)を、少ないスペースの中に保存して起動する、
というような使い方をするとOSが常時USBメモリにアクセスし続けて、
読み込みや書き換えの回数が膨大な数になってしまいやすくなります。
頻繁に読み込みや書き出しを繰り返すと、プログラムが壊れたり、
データが上書きされたり、拡張子がいつの間にか消えたりする危険も出てきます。
また、例としてキングストンのUSBドライブといった、それぞれの製品のメーカーのサポートなども参考までに。
USBメモリの中に保存して持ち運んだ、重いプログラムファイルを使う時には
必ずパソコンのHDD上に、一度インストールしてから使うようにご注意ください。
(同様にSDカードやメモリースティック、xDピクチャーカード、スマートメディアなどの、
他のメモリーカード媒体も、短期的なデータ保存先として使っていくことをお薦めします。)
また拡張子が消えてしまった後でも、まだ、専門事業のデータレスキューサービスにて、
ある程度の割合でUSBメモリから失ったファイルをリカバリーしてもらうことができます。
ファイルの誤った削除ミスで消えたり破損した時に復旧するには?
ほか、操作のミスや見落としで必要なファイルまで削除してしまうトラブルにも注意してください。
PC上のフォルダーにあるデータと違い、USBメモリといったリムーバブルディスクにあるファイルは、
Windowsのエクスプローラーなどで一回削除するとゴミ箱アイコンには行かず、
そのまますべてのフォルダー上から表示が消えた状態になってしまいます。
(ファイルの痕跡は、新しくストレージにデータの上書き保存を行わなければ、
すぐにはストレージから完全に消えた状態にはならずに、しばらく拡張子がセクタに残ります。)
また、ハードディスクやUSBメモリなどのデータ復旧率とは?という疑問については、こちらのページにて。
USBメモリはある程度頑丈で、異物も簡単に入らないようにできています。
ですが、それでも持ち運び中に水没させてしまったりぶつけて強打してしまうと、
折れてしまったり回路が割れて、物理的に破損してしまうおそれもあります。
USBメモリのカバーの一部が割れて外れていたら?
また、製品によっては衝撃や圧迫で外側ケース(カバーやフタ)が取れてしまうこともあります。
ハードウェアの本体が破損しても、データの読み込み自体はまだできることが多いものの、もし外れた時は、
異物が付着して故障の原因とならないように、すぐにケースをはめ直して、テープなどでしっかりと固定してください。
また、何年も使っていると書き換え可能な回数の限度を迎えて、いつかは書き込みや読み込みができなくなります。
保存したデータが消えてしまったり読み込み自体ができなくなった時、
もしバックアップが取れていなくて何とか中身を開き直したい、という際には、
やはりデータ復旧サービスの方にUSBメモリを出して、
回路の読み込みやファイルの痕跡からの復元作業を注文されてみることをおすすめします。