近年、『ハードディスクドライブ』(Hard Disk Drive)はパソコンだけでなく、
サーバーや外付けHDDケース、RAIDケース、NAS(TeraStation、LinkStation、LANDISKなど)
といったさまざまなデジタル機器に内蔵されて、保管されたデータの大容量化が可能になりました。
しかし、幅広い機材に普及が始まったその分、急なハードディスクのクラッシュによる物理障害で、
故障してしまう事例も多くなってきています。
目次
ハードディスがクラッシュした時の状態とは?
もしコンピューターの稼働中に、カリカリ・・・と突然、異音が鳴り出したら、
内部の回路であるプラッタにヘッドクラッシュ(head crash)が起きた可能性が高く、特に要注意です。
まだ何とかHDDが正常に動いている状態でしたら、完全に故障する前に迅速に、
ストレージの内部のファイルやフォルダーをすぐにバックアップすることが大事です。
または、事前に自動更新で差分バックアップを行う機能を設定しておけば、
内部のデータが読み込めなくなりファイルなどを損失してしまうアクシデントを防ぐことができます。
しかしパソコンなどのOA機器自体が起動しても完全に立ち上がらなくなった時は、
ハードディスクのクラッシュが起きている状態で無理やり起動させようと、
何度も起動やリセットを繰り返して、壊れたHDDを下手に回転させると危険です。
また、異音が鳴り出してクラッシュの兆候が出たら、なるべく一般の個人ではそれ以上の通電は控えて、
プロのデータ復旧サービスセンターで、ファイルやフォルダーのレスキューの作業をしてもらうことを推奨します。
HDDの故障で発生する問題とは?
次に、HDDのクラッシュの影響で回路の部品に歪みや折れ曲がりが出ている場合の対処法について。
まず、モーターやヘッド、ディスクに傷が付き続けて、ハードディスクの簡単な修復を試する前に、
余計に破損を悪化させてしまい、復旧を困難にしてしまうおそれがあります。
また、壊れたHDDを長時間放置していても徐々に湿気や小さいごみが充満する危険もあります。
また、ご存じですか?ハードディスクは 壊れます の解説なども参考までに。
HDDは一度、物理障害でクラッシュしてしまうと、
ヘッド障害だけでなくインターフェースやコントローラーボードの破損くらいの故障でも、
一般の個人では修理をすることができず、専門事業でも高額になるか、直すのが難しくなります。
その際には、それ以上の通電は控えて、プロのデータレスキューサービスにHDDを提出して、
内部のファイルを取り出ししてもらうのが、ほぼ唯一の回収の方法です。
RAIDのディスクアレイの一台が故障したら?
次に、RAIDケースやディスクアレイの機能を使用して冗長化(redundantize)している状態であるNASの場合は、
一つのハードディスクが壊れた段階であれば、まだ代わりのHDDに交換してリビルドすることで元に戻ります。
しかし、特にRAID1(レイドワン/ミラーリング)で組み込んでいる場合は、
一台のHDDがクラッシュして使用できなくなると冗長性がなくなり、後がない状態です。
なので、迅速に替えのハードディスクを換装して、ディスクアレイを再構築されることを推奨します。
長期間の放置で起こるストレージの回路の破損とは?
次に、精密機器であるデータ記憶ストレージでは、何年、何十年、とそのまま放置していると、
ハードディスクなどの回路に湿気がたまって自然現象的に破損してしまうアクシデントが起こることがあります。
そのため、定期的にハードディスクやメモリーカードは、パソコンなどに接続して、通電を行われてください。
または、パソコンやRAID、NASなどの機器を使用しないままでずっと電源コンセントを差しっぱなしにして放置していると、
落雷や水害に遭われた時に負荷がかかる可能性が高く、データファイルが開けなくなるトラブルも起こりえます。
ほか、外付けHDDの中身の領域のデータが見えない時の復旧については、こちらのページにて。
またHDDの通電をすることで、自然と内部に充満しやすいわずかな湿気を抜き取って復旧する効果もあります。
コンピューターに置き場に問題があるケースとは?
また、普段ハードディスクなどのストレージ媒体を保管している場所も、
高熱や低熱、電磁波、直射日光、水気などが掛かりやすいところだと、
機器が傷んで故障が早まってしまう危険があるので、置き場にも注意が必要です。
RAIDケースやRAID機能を備えたサーバーやNASでも、配置されている場所が、
機械が弱い要素のある所だと故障が発生しやすくなります。
そのため、上記のような場所にハードディスクといった電子機器を設置されないようご注意ください。
データ復旧のサービスでファイルを取り出ししてもらう
次に、『HDDのクラッシュからの復旧』の対処法は基本的に、
壊れた箇所を修理することではなく、今までに書き込んだデータを取り出ししてもらう方法です。
データ復旧サービスセンターの方へ、壊れたハードディスクドライブを送付して、
清潔なクリーンルームにて、内部の部品の分解によって読み込んでもらい、
他の二次記憶装置にコピーして移行してもらう「データリカバリー」の作業を指します。
そのため、ハードディスクのクラッシュが発生したら専門のデータ復旧サービスにて、
故障の査定と分解による取り出しの作業を行ってもらうことが、
失ったファイルの取り戻しを成功させる可能性を上げる、一番の方法です。